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研究トピックス
2020/08/28 投稿

あっという間に傷が回復―強靭でリサイクル可能な自己修復性超分子材料―

大阪大学大学院理学研究科博士後期課程3年の朴峻秀さんと大﨑基史特任講師(常勤)、同高等共創研究院(兼任・大学院理学研究科)の髙島義徳教授、同産業科学研究所の原田明特任教授(常勤)、山形大学大学院有機材料システム研究科の松葉豪教授らのグループは、高速に自己修復するゴム・エラストマー材料を作製することに成功しました。

今回本研究グループは、二種類の高分子化合物を合成し、これを遊星型ボールミルという一般的な混合装置で混ぜ合わせることで、強靭であり、さらに自己修復機能をあわせもった、何度もリサイクル可能な超分子材料を得ました(図)。本研究グループでこれまでに合成してきた超分子材料と比べ、性能に優れ、工程も簡単で、産業への応用がさらに容易になり、次世代材料である自己修復性超分子材料の普及を推進するものと期待されます。例えば、機械や電子機器、自動車、航空機、ロボットの表面保護コートとして利用できます。傷ついてもすぐに修復するため、これらの製品のメンテナンスの手間が大きく低減されます。

この材料の機能とその機構を解明した研究成果は、国際学術誌「Advanced Materials」にて8月26日(水)午後7時(日本時間)に公開されました。

図:本研究で開発した強靭で自己修復性を有するリサイクル可能な超分子材料 
(a) 自己修復やリサイクルを可能とする分子間相互作用の様子。
(b) 超分子材料のコーティングに傷を入れてもすぐ元通りに戻る。
(c) 破壊された超分子材料を遊星型ボールミルで再成型して元の状態に戻すことができる。


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本件に関する問い合わせ先

大阪大学 高等共創研究院・大学院理学研究科
教授 髙島義徳(たかしまよしのり)
TEL:06-6850-5447 FAX: 06-6850-5447
E-mail: takasima@chem.sci.osaka-u.ac.jp