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数学科

最前線の知識を学び未解決問題に挑戦する

数学はその長い歴史において、数や図形に関わる現象の解明や自然をより深く認識しようとする努力の中で、世界に潜む様々な原理や美を論理化・抽象化し自然現象を記述する不可欠なツールとして発展してきました。近年では、コンピューターの目覚ましい発展にも支えられ、物理学、生物学、化学などの従来の自然科学の枠を越え、工学、経済学、人文・社会科学、情報科学など広範な分野にまで、数学の活躍の場が広がってきています。

大阪大学数学科は昭和6年大阪帝国大学創立と同時に創設されました。当初から新しいアイデアを進んで受け入れ、創造性を重んじる自由で生き生きとした雰囲気の中で日本の数学の近代化に中心的役割を果たしてきました。
さらに大阪大学大学院理学研究科数学専攻では平成7年4月1日から、教育・研究の両面において、大学院にその重点を移し、研究組織を6大講座(代数学、幾何学、解析学、大域数理学、実験数学、応用数理学)に改組しました。これは伝統的な数学をさらに深め発展させることと新しい数学にも柔軟かつ積極的に対応するために行われたものです。学生の多様な要求に応えるために、開講科目が質・量共に大幅に拡充されている一方、卒業研究・修士論文・博士論文の完成のため、各種セミナーが開講され、各教員の指導の下に、最前線の知識を学ぶと共に未解決問題への挑戦が行われています。

数学教室には、充実した数学図書室があり、数学関係の学術雑誌約500種類、単行本約5万冊が常時閲覧できると共に、数学関係の文献を即座にオンライン検索することができます。さらに計算機室では論文作成から数式処理や数値計算に至るまで、数学にコンピュータを積極的に活用することができるなど、研究環境が整えられています。

本数学科の卒業生の進路についても少しお話しましょう。卒業生の多くが研究者になったり教職(高等学校)に就くというのが従来の傾向でしたが、ここ十数年の間に産業界で活躍する人も際だって増えてきました。コンピューターの発達で民間の会社が数学科の学生を要求しているせいでもありますが、そこでは数学科学生に共通する、問題を根底まで探求しなければやまない姿勢と抽象的な思考能力、さらに既成の枠にとらわれない自由な発想と異なった専攻分野への適応性が高く評価されています。例えば、民間の研究所に入り、大学で勉強したことと直接には関連しないような工学的な問題や社会学的な問題などにとりくんで優れた業績をあげている人も大勢います。

研究者になるためには大学院に進学するのが通常の方法です。大学院は前期課程(修士課程)2年と後期課程(博士課程)3年に分かれます。前期課程を終えて修士の学位を得たのち民間会社へ就職する人、また後期課程に進んでさらに研鑽に努め研究者になる人もいます。また、大学院では飛び級の制度があり、最短で3年で学位を取得することも可能です。

数学は古くて新しい学問です。その歴史はギリシャの昔にまで、さかのぼることができますが、現在も次々と新しい問題が提出され、古い問題にも新しい光が投げかけられるなど、数学の歩みは留まる所を知りません。皆さんの中からも、本数学科で現代数学の息吹に触れ、自分も研究者になりたいと思うようになる人がきっと何人も現れるでしょう。

セミナー風景数学図書館

左図:セミナー風景

右図:数学図書室