化学は、物質とその変化を研究する自然科学の中で最も基本的な学問の1つであり、巨視的な性質を微視的な観点から研究する学問であるとも言えます。
化学の目的と使命は、自然界に存在する物質の成り立ちや性質、働きを理解することであり、物質の機能や特性の利用によって、さらには新しい物質の創造によって、より良い社会作りに貢献することです。
また、大きな社会問題となっている環境問題もほとんどが化学の知識の間違った使い方が関係しています。
それゆえ、化学を学んだ者は、自然界の物質が関わる多様な現象から自然の哲理を学びつつ、自然と人間の共生や発展に大いに寄与できます。
化学は皆さんが普段考えている以上に身近なもので、将来もその重要性は変わらず、化学者の果たすべき役割はますます大きくなるでしょう。
大阪大学理学部化学科は、昭和6年に設立されて以来、80年以上にわたって、常に化学における最先端の研究活動を展開してきました。
研究分野も発展的に分岐して、無機化学、分析化学、有機化学、物理化学を骨格として、その境界領域も埋められ、高分子科学が加わり、さらに熱力学を専門に研究する構造熱科学研究センターを擁し、わが国で最大級の基礎・純粋化学の研究機関となっています。
また、世界的視野に立った活発な研究活動を基盤とした教育システムは、これまでに数え切れないほど多くの優れた人材を生み出してきました。
卒業生の多くが、現在も国内外の実業界や教育、研究の現場で活躍を続けています。
当化学科では自由で個性的な研究と教育を行うことを特徴としており、その分野は大きく無機化学、物理化学、有機化学、高分子科学の4つに分けることができます。
左図:無機化学系の学生実験
右図:環状多糖を用いて形成される様々な集合体の推定構造図