1. HOME >
  2. イベント >
  3. 【10周年記念】大阪大学豊中地区研究交流会 誕生の経緯とこの10年の歩みをまとめました
イベント
2025/12/05 投稿

【10周年記念】大阪大学豊中地区研究交流会 誕生の経緯とこの10年の歩みをまとめました

2016年にスタートした「大阪大学豊中地区研究交流会」は、2025年に節目となる第10回を迎えました。そこで、本記事では、豊中地区研究交流会の誕生の経緯や10年の歩みを振り返ります。

さらに、研究交流会の誕生に関わった教員の対談記事や、現在幹事部局の委員を務める教員を含めた座談会記事を別ページにて公開しています。こちらでは、本研究交流会が培ってきた意義や今後の展望に迫ります。詳細は、下部にあるリンクからご覧ください。

PDFファイルでご覧になりたい方はこちら

豊中地区研究交流会の10年:
分野を超えた知の交流の軌跡

<研究交流の発足と発展>

2013年10月、大阪大学未来研究イニシアティブ支援事業※1(未来研究イニシアティブ)キックオフ講演会での出会いが、豊中地区研究交流会の10年にわたる歩みの始まりでした。理学研究科の豊田岐聡(とよだみちさと)教授と、法学研究科の故 田中仁(たなかひとし)教授(当時)は、中国の環境問題という共通の関心事項を発見し、研究交流が始まりました。

この出会いを契機に、両教授の文理融合の取り組みは加速します。翌2014年3月に開催された未来研究イニシアティブ報告会での田中教授の発表をきっかけに、豊田教授は自らの中国におけるPM2.5測定研究との連携を提案。これが共同セミナー開催へと発展し、同年10月には、大阪大学豊中キャンパスにて「東アジア“生命健康圏”構築に向けて:大気汚染と健康問題を考える日中国際会議」が開催されました。「21世紀課題群と中国※2」と「MULTUMで切り拓くオンサイトマススペクトロメトリー※3」の共催によるこの会議は、PM2.5をはじめとする大気汚染問題について、日中の研究者が専門分野や国境を越えて議論する場となり、豊田教授もディスカッサントとして貢献しました。この国際会議以降も、いくつかの研究セミナーを通じて両教授の交流は継続しました。ここに、2015年、法学研究科の北村亘(きたむらわたる)教授が加わり、研究交流の輪が広がり始めました。

 

<「まちかねCAFÉ」の設立と「豊中地区研究交流会」>

文理融合のためには、まずは「お互いを知る場」が必要であるという考えのもと、2016年9月に「まちかねCAFÉ※4」が誕生しました。当初は月1回、後に隔月開催となり、文理それぞれの研究者が発表を行う形式で、互いの理解を深めることに重点が置かれました。この「成果よりも相互理解」という精神は、後の研究交流会設立の礎となりました。

そして、これらの活動の発展形として、2016年12月20日、大阪大学会館にて第1回豊中地区研究交流会が開催されました。社会課題の総合的な解決には、産学官連携、そして分野を超えた協力が不可欠です。その第一歩として、豊中キャンパス内の研究者が、文理の垣根を越えて互いの研究を知り、交流する場を創設するという理念が掲げられました。豊中地区研究交流会はその後も毎年開催され、参加部局の広がりとともに、知の交流の場として発展し続けています。

(理学研究科教授 水谷泰久)

 

※1  本学の未来戦略を推進するために創設された支援事業。大阪大学ならではの基礎研究を強化するとともに、国家的課題の解決につながる新たな研究分野を創出することを目的とする。2013年9月に11事業を選定。
https://www.osaka-u.ac.jp/ja/news/topics/2013/09/20130919_01

※2, 3 未来研究イニシアティブ支援事業における田中教授と豊田教授の研究グループ名。
※4  まちかねCAFÉ。https://mass.phys.sci.osaka-u.ac.jp/machicafe.html

 

<年表>

2013年10月      未来研究イニシアティブ支援事業キックオフ講演会
        理学研究科の豊田岐聡教授と法学研究科の故 田中仁教授(当時)の出会い
2014年3月       未来研究イニシアティブ報告会
                       中国のPM2.5というキーワードで両教授の研究交流開始
2014年10月      東アジア“生命健康圏”構築に向けて:大気汚染と健康問題を考える日中国際会議
         両教授のプロジェクトによる共催(豊中キャンパスにて)

〜その後も、法学研究科がホストのOUFCセミナー※5などを通じて交流〜

2016年9月      「まちかねCAFÉ」の誕生
                        文理融合の対話空間・成果よりも相互理解を重視
2016年12月      第1回「豊中地区研究交流会」の開催
                        豊中地区にある文系部局と理系部局の分野横断的な協力や、基礎研究重視の
        産学共創を目指す交流の場
2017年8月         豊中地区研究交流会委員会の発足
2018年1月        第2回豊中地区研究交流会の開催
2018年12月       第3回豊中地区研究交流会の開催
2019年12月       第4回豊中地区研究交流会の開催
2020年12月       第5回豊中地区研究交流会の開催
2021年12月       第6回豊中地区研究交流会の開催
2022年11月       第7回豊中地区研究交流会の開催
                        令和4年度大阪大学賞受賞※6
        「部局URAの連携による大阪大学豊中地区研究交流会の企画運営と異分野交流支援」
2023年12月       第8回豊中地区研究交流会の開催
2024年11月       第9回豊中地区研究交流会の開催
2025年12月      第10回豊中地区研究交流会の開催

※5  Osaka University Forum on China(大阪大学中国文化フォーラム)の略。https://www.law.osaka-u.ac.jp/c-forum/

※6  本学の大学運営、教育および研究上において、顕著な貢献をした者に対し、その功績を讃えて表彰するもの。
https://www.osaka-u.ac.jp/ja/guide/aboutuosaka/honors/campus-award/ouprize/ouprize_r4

 

豊中地区研究交流会の10年:分野を超えた知の交流の軌跡(ポスターPDF)はこちら

 

10周年記念インタビュー<第1部>
豊中地区研究交流会 誕生の経緯こちら
※豊田岐聡教授(理学研究科)と北村亘教授(法学研究科)の対談をまとめた記事

 

10周年記念インタビュー<第2部>
豊中地区研究交流会の現在、そして未来こちら
※理学研究科の豊田岐聡教授と水谷泰久教授、法学研究科の北村亘教授および基礎工学研究科の浜屋宏平教授による座談会をまとめた記事

 

第9回までの開催レポートはこちら

第1回(2016年12月20日開催) 

第2回(2018年1月10日開催) 

第3回(2018年12月18日開催) 

第4回(2019年12月17日開催) 

第5回(2020年12月17日開催) 

第6回(2021年12月21日開催) 

第7回(2022年11月4日開催) 

第8回(2023年12月8日開催) 

第9回(2024年11月22日開催) 

 

編:大阪大学豊中地区研究交流会 幹事部局URA(2025/12/5)

アウトリーチ活動一覧へ