図: 本研究により明らかとなった銀河と銀河間ガスの見えかたのイメージ図。左下にいる観測者からは、銀河間ガスの濃い領域にいる銀河はガスに隠れて見えない様子を表しています。
遠方宇宙の大規模構造の探査には水素原子のライマンアルファ輝線で明るい銀河がよく用いられています。東京大学大学院理学系研究科の百瀬莉恵子日本学術振興会特別研究員、嶋作一大准教授、大阪大学大学院理学研究科の長峯健太郎教授、四国学院大学の清水一紘准教授を中心とする研究チームは、110億年前の宇宙空間を満たす中性水素ガスの観測データを用いた解析によって、このタイプの銀河は大規模構造を正しくなぞれていないことを発見しました。さらに、その原因として、銀河間ガスの濃い領域では、このタイプの銀河はかくれんぼをするかのようにガスに隠れて見えなくなっている可能性を指摘しました。本研究により遠方宇宙の大規模構造の研究に注意が喚起されるとともに、遠方宇宙にはまだまだ面白い現象が隠れていることがあらためてわかりました。
本研究成果は、The Astrophysical Journal Lettersに日本時間5月7日(金)午後8時に公開されました。
図: 本研究により明らかとなった銀河と銀河間ガスの見えかたのイメージ図。左下にいる観測者からは、銀河間ガスの濃い領域にいる銀河はガスに隠れて見えない様子を表しています。
大阪大学 大学院理学研究科
教授 長峯 健太郎(ながみね けんたろう)
TEL:06-6850-5481
E-mail: kn@astro-osaka.jp