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研究トピックス
2021/03/22 投稿

集合体の”形”を決めるメカニズム 分子認識相互作用の強さによって制御~生物の多様な形状の起源に迫る~

大阪大学大学院理学研究科の橋爪章仁教授および産業科学研究所の原田明特任教授(常勤)らの研究グループは、相互作用残基として環状オリゴ糖(β-シクロデキストリン(β-CD))とアダマンタン(Ad)を導入した高吸水性ポリマーの球状マイクロ粒子(直径約100〜200 μm)が形成する集積体の形状が相互作用残基の導入量を調整することによって制御できることを世界で初めて明らかにしました(図)。

これまでに、本研究グループでは、環状オリゴ糖(ホスト)およびホストと相互作用するゲストを導入したゲルを用い、分子認識の直接観察に成功していました。その際、相互作用の強さによって形成されるゲル集積体の形状が異なることに気づいていましたが、その詳細は解明されていませんでした(例えば、Harada, A. et al., Nat. Chem. 2011, 3, 34)。

今回、本研究グループは、高吸水性ポリマーの球状マイクロ粒子を用いることにより、多数のマイクロ粒子による相互作用実験が可能となり、結果の統計的な解析により、相互作用が強くなるほど長細い形状の集積体が形成することを解明しました。これにより、分子認識に基づく巨視的集合体である生物が多様な形状を示す起源の解明に繋がることが期待されます。

本研究成果は、英国科学誌「Scientific Reports」に、3月18日(木)19時(日本時間)に公開されました。

図:β-シクロデキストリンマイクロ粒子(βCD(x)-SAP,無色粒子)とアダマンタンマイクロ粒子(Ad(y)-SAP, 赤色粒子)から形成された集合体の光学顕微鏡写真。βCD導入量xは26.7 mol%、Ad導入量yは5.2 mol%と15.1 mol%。


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本件に関する問い合わせ先

大阪大学 大学院理学研究科 高分子科学専攻
教授 橋爪 章仁(はしづめ あきひと)
TEL:06-6850-8174 FAX: 06-6850-8174
E-mail: hashidzume@chem.sci.osaka-u.ac.jp