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研究トピックス
2020/08/24 投稿

溶液に浸すだけで結晶内に金属クラスターを形成~イオン固体を反応場とする新合成技術~

大阪大学大学院理学研究科の今野巧教授、吉成信人准教授、山下智史助教、中澤康浩教授、大阪市立大学の田部博康特任講師、山田裕介教授らの研究グループは、一連の希土類水酸化物クラスターの簡便な合成法を世界で初めて発見しました。
希土類水酸化物クラスターは、これまで、特別に設計された有機物を使用し、厳密な反応条件管理下での溶液合成が必須となっていました。

今回、今野教授らの研究グループは、以前に同グループが開発した水和カリウム超イオン伝導体結晶を希土類イオン溶液に浸すだけで、結晶性を保ったまま結晶内部にキュバン構造を持つ希土類水酸化物クラスターが形成されることを明らかにしました(図)。得られた結晶は、希土類クラスターに特有な磁気冷凍効果および不均一触媒活性を示すことも確認されました。今回示した結晶内でのクラスター合成法は、大掛かりな化学合成設備を必要としない機能性希土類材料の合成手法として有望と考えられます。

本研究成果は、ドイツ化学会誌「Angewandte Chemie International Edition」(オンライン)に、8月13日(木)に公開されました。

図:希土類水酸化物クラスターの結晶内合成の模式図


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本件に関する問い合わせ先

大阪大学 大学院理学研究科 化学専攻
教授 今野巧(こんのたくみ)
TEL:06-6850-5765 FAX: 06-6850-5765
E-mail:konno@chem.sci.osaka-u.ac.jp