図 月から流出する炭素(イメージ図)。太陽照射を受けて炭素が月表面から放出し電離され、周囲の電場方向(図の場合は上向き)に運動する。
大阪大学大学院理学研究科の横田勝一郎准教授・寺田健太郎教授らが率いる研究グループは、月周回衛星「かぐや」のプラズマ観測装置によって月の表面全体から流出する炭素を世界で初めて観測しました(図)。この観測結果から月には誕生時から炭素が存在することが強く示唆されます。
巨大衝突によって形成されたと考えられていた月には、炭素などの揮発性物質は存在しないとこれまで考えられていました。今回の観測成果から、月の誕生について揮発性物質を残らず蒸発させる従来の巨大衝突モデルから、揮発性物質が残ることを許容する新しい月誕生モデルへの転換が期待されます。
本研究成果は、米国科学誌「Science Advances」に、5月7日(木)午前3時(日本時間)に公開されました。
図 月から流出する炭素(イメージ図)。太陽照射を受けて炭素が月表面から放出し電離され、周囲の電場方向(図の場合は上向き)に運動する。
大阪大学 大学院理学研究科 宇宙地球科学専攻 准教授 横田勝一郎(よこたしょういちろう)
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