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研究トピックス
2020/03/17 投稿

1世紀前からの謎を解明!動物の左右をつくる新しい原理を発見 ―背腹をつくるしくみを利用した左右形成―

大阪大学大学院理学研究科生物科学専攻の小沼健助教、西田宏記教授らの研究グループは、脊索動物のワカレオタマボヤOikopleura dioica (以下、オタマボヤ) が、背腹の向きを決めるタンパク質 (Bmp) を利用して、左右の違いをつくることを明らかにしました (図)。Bmpには発生過程で神経形成を抑える働きがありますが、オタマボヤはBmpを「右側に働かせる」ことを介して、その反対側の「左側に」神経管をつくることが分かりました (図)。また、オタマボヤには左側決定因子であるNodal遺伝子がないことも分かりました。これらは左右形成のしくみに新たな一石を投じる発見であり、ヒトにも共通するオタマジャクシ型の体づくりの理解につながると期待されます。

本研究成果は、米国科学誌「米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America)(2020年2月6日付)」(オンライン)に公開されました。

図 成果のまとめ

「体の右側に」 Bmpが発現するが(紫,右図)、これは「胚の右側由来の」細胞で起きる(左図)。


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本件に関する問い合わせ先

大阪大学 大学院理学研究科 助教 小沼 健(おぬま たけし)
TEL:06-6850-6760
E-mail: takeo@bio.sci.osaka-u.ac.jp