1. HOME >
  2. 研究トピックス >
  3. 花の形の多様性を創出する原理を発見! ―左右対称な花を形づくる仕組みを計算機シミュレーションから予測―
研究トピックス
2020/03/03 投稿

花の形の多様性を創出する原理を発見! ―左右対称な花を形づくる仕組みを計算機シミュレーションから予測―

大阪大学全学教育推進機構の北沢美帆助教と大学院理学研究科の藤本仰一准教授らの研究グループは、花びらをはじめとする花器官の配置の多様性を生み出す花の発生過程の特徴を世界で初めて明らかにしました。私たちの身近にある花の形は種ごとに極めて多様な形を示します。ランやマメやキンギョソウなどは、花びらが左右対称に配置し、数や配置は種ごとに異なります(図)。

これまで、花が発生する時に花器官の配置を複数の因子(遺伝子や花の外側にある器官)が抑制することは知られていましたが、これらの因子が配置の多様性をどう実現しているかについては解明されていませんでした。

今回、北沢助教と藤本准教授らの研究グループは、各因子による抑制効果を新たにモデルへ導入して、計算機シミュレーションを行いました。その結果、これら因子が左右対称な花器官の数と配置の多様性をどう実現しているかが分かり、花の咲く植物(被子植物)全体をおおよそ網羅する制御機構を包括的に再現することに成功しました。私たちが身近に感じる多様な花の形を生み出す原理を解明することで、植物の発生や進化の過程の理解が進むとともに、基礎科学研究の面白さの理解がさらに深まることが期待されます。

本研究成果は、英国科学誌「Development(2020年1月22日付)」(オンライン)に公開されました。

図 花器官の数と配置の多様性

花びら(花弁)とがくの左右対称な配置は、それぞれの系統ごとに特徴を持つ。花の背側に主軸(⚫️で表す)があり、多くの場合、咲いた花の上側に対応する。ランは、花の発生過程で花の上下が反転し、花の下側が背側となる。


Related links

本件に関する問い合わせ先

大阪大学 大学院理学研究科 准教授 藤本仰一(ふじもとこういち)
TEL/FAX:06-6850-5822
E-mail: fujimoto@bio.sci.osaka-u.ac.jp