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研究トピックス
2019/08/28 投稿

光触媒反応中の電子と分子の超高速な動きを世界初観測 ―次世代のクリーンエネルギー人工光合成技術の進展に結びつく成果―

ベトナム物質科学研究所のPhuong Ngoc Nguyen研究員(研究当時:大阪大学大学院理学研究科博士後期課程)、大学院生命機能研究科(理学研究科兼任)の渡邊浩助教、木村真一教授、東京工業大学理学院化学系の石谷治教授、玉置悠祐助教らの研究グループは、人工光合成に用いられる光触媒分子(Re錯体)が還元剤TEOA溶液中において、光照射後しばらくしてRe錯体へ隣のTEOA分子が近づき、電子を渡す様子を、時間分解THz全反射分光法を用いて、ピコ秒の時間スケールで観測することに初めて成功しました。この成果は、光触媒反応の詳細な理解とより効率の高い光触媒分子の探索に重要な役割を果たすことが期待されます。また本研究で用いた時間分解THz全反射分光法は、液体中の2つの分子間の位置関係の変化を知ることができるため、光触媒反応プロセスだけでなく、生物・化学分野における反応プロセスの理解に役立つものと期待されます。
本研究成果は、8月13日(火)18:00(日本時間)にNature Publishing Group「Scientific Reports」(オンライン版)で公開されました。

図 THz 全反射分光のセットアップ

本件に関する問い合わせ先

大阪大学大学院生命機能研究科 光物性研究室 /理学研究科
助教 渡邊 浩(わたなべ ひろし)、教授 木村 真一(きむら しんいち)
TEL: 06-6879-4604, 4600  FAX: 06-6879-4601
E-mail: hwata@fbs.osaka-u.ac.jp(渡邊 浩), kimura@fbs.osaka-u.ac.jp(木村 真一)
関連URL: http://www.kimura-lab.com/