図1 一般の物質が有するわずかな磁気力の差を利用してレアメタルを抽出する原理。
水平方向の磁場強度は、N極およびS極から遠ざかる方向に単調減少する。
大阪大学大学院理学研究科の植田千秋准教授、寺田健太郎教授、大阪府立大手前高等学校定時制の課程教諭 久好圭治(本研究科・特任研究員)らの研究チームは、運搬が容易な小型の装置を用いて、固体粒子の混合物から、金、プラチナ、ビスマスなどのレアメタル粒子が抽出できることを、世界で初めて実証しました(図1)。
これまで磁気分離の利用は、磁気力が強いごく一部の物質に限られてきましたが、植田准教授らは、一般の物質が有するわずかな磁気力の差異を利用して、上記の分離を実現しました。今回開発した装置は、既存の磁気分離装置に比べ安価なうえに、運搬が容易で、しかも実用化に十分な分離効率を有します。また永久磁石を用いるため、これまでのような大電力も必要としません。今後、分析技術、資源探査あるいは資源リサイクル技術として現場での活用が期待されます。
本研究成果は、英国科学誌「Scientific Reports」に、3月8日(金)21時(日本時間)にオンライン公開されました。
図1 一般の物質が有するわずかな磁気力の差を利用してレアメタルを抽出する原理。
水平方向の磁場強度は、N極およびS極から遠ざかる方向に単調減少する。
大阪大学 大学院理学研究科 准教授 植田 千秋(うえだ ちあき)
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