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研究トピックス
2018/06/12 投稿

世界初!分子が進む方向性を決める鍵となる運動と化学反応の同時計測に成功~生体分子モーターに一歩近づいた人工分子マシンへ~

大阪大学大学院理学研究科の橋爪章仁教授および原田明特任教授(常勤)らの研究グループは、環状オリゴ糖(α-シクロデキストリン(α-CD))とアレイ状軸分子(2ステーション軸分子)から形成される擬ロタキサンにおいて、分子上で同時に起こる自発的な動きと化学反応を観測し、両者が連動していることを世界で初めて明らかにしました。(図1)
生体系では、例えば筋肉などにおいて生体分子マシンあるいは生体分子モーターが運動方向の制御を巧みに行っていますが、人工分子マシンでの運動方向の制御は極めて困難であると考えられており、現実社会で利用されているラチェット機構に似た分子ラチェットの実現が強く望まれています。(図2)
本研究グループは、α-CDと2ステーション軸分子の擬ロタキサン形成を核磁気共鳴 (NMR) 分光法により詳細に調査することにより、α-CDの運動と重水素化反応の同時観測を世界で初めて成功し、両者が連動していることを明らかにしました。これにより、人工分子ラチェットが実現でき、生体分子モーターに匹敵する高効率の人工分子マシンへの展開が期待されます。
本研究成果は、英国科学誌「Scientific Reports」に、6月12日(火)18時(日本時間)のオンライン版で公開されます。

本件に関する問い合わせ先

大阪大学 大学院理学研究科
教授 橋爪 章仁(ハシヅメ アキヒト)
TEL:06-6850-8174   FAX: 06-6850-8174
E-mail:hashidzume@chem.sci.osaka-u.ac.jp
 
大阪大学 大学院理学研究科
特任教授(常勤) 原田 明(ハラダ アキラ)
TEL:06-6850-5445   FAX: 06-6850-5445
E-mail:harada@chem.sci.osaka-u.ac.jp