図 1:
匂い忌避行動中の線虫C. エレガンスの微分的・積分的な神経活動。嫌いな匂いが作る勾配を模式的に表している。嫌いな匂いの方向へ向かって移動を始めると、嫌いな匂い濃度が上昇するという「好ましくない刺激変化」が生ずる事になる。この場合、特定の神経細胞が匂い濃度の微分によく似た神経活動を示し、C. エレガンスは連続した方向転換を素早く始める。この方向転換の際にたまたま正しい方向に進み始めると、嫌いな匂い濃度が減少するという「好ましい刺激変化」が生ずる事になる。この時、別の神経細胞が匂い濃度変化の積分によく似た神経活動を示し、この値が一定に達した時に、方向転換が抑えられ、その方向への直進に切り換わっていた。