1. HOME >
  2. 研究トピックス >
  3. 単純な学習・記憶を支える複雑な仕組みの一端が判明! ~線虫の“匂い学習”から神経伝達物質の役割が明らかに~
研究トピックス
2015/07/07 投稿

単純な学習・記憶を支える複雑な仕組みの一端が判明! ~線虫の“匂い学習”から神経伝達物質の役割が明らかに~

大阪大学大学院理学研究科の 山添(梅本)萌子 大学院生(H27年3月博士課程修了)、藤田 幸輔 特任研究員(現東北大学医学部)、木村 幸太郎 准教授らの研究チームは、線虫C. エレガンスが匂いを学習する際、脳内の2種類の神経伝達物質(神経ペプチドとドーパミン)が別々の役割を果たしていることを明らかにしました。C. エレガンスは、動物の体や脳の基本的な仕組みを明らかにするための実験対象として世界中で研究が行われています。高等動物の学習においても様々な神経伝達物質のはたらきが必要であることが知られていますが、その詳細は明らかになっていません。本研究の成果は、高等動物の学習・記憶の仕組みの理解にもつながることが期待されます。

本研究成果は、6 月 8 日(月)に神経科学専門誌「Neuroscience Research」オンライン版に正式に掲載されました。

research20150707_1

図1:今回明らかになった線虫の学習・記憶と神経伝達物質の関係

research20150707_2

図2 正常な線虫と突然変異株(下2つ)の行動パターンの違い

本件に関する問い合わせ先

木村 幸太郎 (きむら こうたろう)

〒 560-0043 大阪府豊中市待兼山町1−1
大阪大学大学院理学研究科 生物科学専攻 神経回路機能学研究室
Tel:06-6850-6706
E-mail:kokimura@bio.sci.osaka-u.ac.jp