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    ―“強いのに柔らかい”引っ張って剥がして繰り返し使える粘着剤―
研究トピックス
2026/01/21 投稿

2つの架橋により強粘着と易解体を実現
―“強いのに柔らかい”引っ張って剥がして繰り返し使える粘着剤―

大阪大学大学院理学研究科の大学院生・小鯖翔さん(博士後期課程)、山岡賢司助教、髙島義徳教授とリンテック株式会社の研究グループは、ディスプレイ用途の粘着剤に求められる「段差追従性」「接着信頼性」「易解体性」を同時に満たす新規材料を提案しました。

本研究では、ドーナツ型の環状分子であるシクロデキストリンをグラフトした高分子と、その空孔に別の高分子が貫通した高分子編み込み(KP)構造に、アルミニウムイオンによるキレート架橋を導入した複合架橋材料を設計しました。その結果、本材料が、KP構造に由来する優れた応力緩和性と、キレート架橋による高い接着信頼性を両立することを確認しました。

さらに、従来の柔軟な粘着剤では「引っ張りによる粘着剤の除去」が困難でしたが、本材料では、この現象が、高分子鎖が二種類の架橋の作用により小さな力で配向し、「接着性の低下」と「剥離力の効率的な伝播」が同時に引き起こされることに起因するものであることを、世界で初めて見出しました。また、キレート架橋は特定の溶媒により除去されるため、粘着剤の溶解除去が可能なこと、さらに加熱プレスによる再成型によって繰り返し利用可能な粘着シートであることも確認されました。

本成果により、工業製品製造時の不良率低減や被着体および粘着剤の廃棄量削減が期待されるとともに、解体プロセスの簡略化を通じて、製品リサイクルに要するエネルギーの低減に貢献することが期待されます。

本研究成果は、2026年1月1日(木)にElsevier誌「Chemical Engineering Journal」(オンライン)に掲載されました。

2種類の架橋により発現する性能イメージ

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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本件に関する問い合わせ先

大阪大学大学院理学研究科高分子科学専攻
教授 髙島義徳(たかしま よしのり)
TEL: 06-6850-8260 
E-mail: takashima.yoshinori.sci@osaka-u.ac.jp

小鯖 翔(こさば しょう)
E-mail: s-kosaba@post.lintec.co.jp