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    ―新しい解析手法が見いだした宇宙での超高速電子加速―
研究トピックス
2025/01/15 投稿

宇宙の電波の”さえずり”が短時間で電子を加速した痕跡を発見
―新しい解析手法が見いだした宇宙での超高速電子加速―

国立大学法人 京都大学 生存圏研究所 栗田 怜 准教授は、国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学 宇宙地球環境研究所 三好 由純 教授、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT(エヌアイシーティー)) 齊藤 慎司 主任研究員、国立大学法人 東京大学大学院理学研究科 笠原 慧 准教授らの研究チームと共に、宇宙空間で自然に発生する「コーラス」と呼ばれる電波が、わずか1秒以下の短時間で電子を急速に加速していることを、世界で初めて実証しました。この成果は、日本の「あらせ」衛星注2の観測データと新たな解析手法を用いたものです。

コーラスは「宇宙のさえずり」とも呼ばれる電波で、地球以外にも木星、土星といった惑星周辺で観測されており、電子を加速していると考えられています。本研究では、コーラスの発生に伴い電子加速がどのように発生するかを新たに考案した手法で解析し、従来の平均化されたデータでは検出できなかった超高速電子加速を明らかにしました。

宇宙空間において加速された高エネルギー電子は、人工衛星の不具合を引き起こすことがあります。この発見は、人工衛星の設計や宇宙天気予報の精度向上を通して、宇宙の安全・安心な利用に貢献します。また、本研究で開発された解析手法は、過去の観測データにも適用可能で、さらなる宇宙環境の謎解明が期待されます。

本研究成果は、2025年1月14日に英国科学誌「Scientific Reports」に掲載されました。

※当該研究には、宇宙地球科学専攻の横田勝一郎准教授が共同研究者として参画しています。

コーラスによる電子の超高速加速の痕跡を「あらせ」衛星の観測により発見

 

 

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〈共同リリース機関HP〉

 

本件に関する問い合わせ先

大阪大学大学院理学研究科宇宙地球科学専攻
准教授 横田 勝一郎(よこた しょういちろう)
E-mail:yokota@ess.sci.osaka-u.ac.jp