大阪大学大学院生命機能研究科の高桑央特任研究員(北海道大学医学研究院博士課程)、山崎智弘特任講師(常勤)、廣瀬哲郎教授(大学院理学研究科、先導的学際研究機構兼任)の研究グループは、核内の非膜オルガネラがお互いに独立して存在するための分子メカニズムを明らかにしました。
細胞内に数多く存在する様々な非膜オルガネラは、膜を持たないにもかかわらず、お互いに混じり合うことなく独立して存在しており、このことが固有の機能を果たすために必要です。しかし個々の非膜オルガネラが独立して存在できるメカニズムについてはよくわかっていませんでした。
今回、山崎特任講師(常勤)と廣瀬教授らの研究グループは、核内の非膜オルガネラの一種であるパラスペックルと核スペックルをモデルとして、お互いが独立して存在するしくみの解明を試みました。その結果、パラスペックル表面のタンパク質の組成が非膜オルガネラ同士の融合と分離に関わり、オルガネラの独立性を調節していることを明らかにしました。これにより、細胞内に多数存在する非膜オルガネラが独立して正しく機能を果たす分子基盤の理解が進み、細胞内相分離による細胞機能制御メカニズムの解明が一層進むことが期待されます。
本研究成果は、英国科学誌「Nature Cell Biology」に、11月7日(火)午前1時(日本時間)に公開されました。
本件に関する問い合わせ先
大阪大学大学院生命機能研究科RNA生体機能研究室/理学研究科(兼任)
教授 廣瀬 哲郎
E-mail: hirose.tetsuro.fbs@osaka-u.ac.jp