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研究トピックス
2023/05/26 投稿

染色体異常を誘発する遺伝子を同定―がんや自閉症などの遺伝性疾患とゲノム進化のメカニズム解明へ―

 大阪大学大学院理学研究科 中川拓郎准教授らの研究グループは、九州大学大学院医学研究院 林哲也教授、久留米大学医学部 小椋義俊教授、千葉大学真菌医学研究センター 高橋弘喜准教授との共同研究により、真核生物に広く存在するSrr1とアルギニンメチル化酵素Skb1が、染色体異常を誘発することを世界で初めて明らかにしました。
 セントロメア領域での染色体異常は、がん細胞などで高頻度に観察されます。しかし、その詳細な分子メカニズムについては解明されていませんでした。
 今回、中川准教授らの研究グループは、分裂酵母に突然変異を導入し、染色体異常の発生頻度が減少した変異株を単離し、その株の変異部位を次世代シーケンスで特定することにより、Srr1とSkb1遺伝子がセントロメア領域での染色体異常を誘発することを明らかにしました。
 本研究成果より、染色体異常が原因で起きる遺伝性疾患やゲノム進化のメカニズム解明が進むことが期待されます。 
 本研究成果は、英国科学誌「Communications Biology」に、5月26日(金)18時(日本時間)に公開されました。

図. 酵母細胞を非選択培地(上段)から選択培地(下段)に移して数日間培養を行った。選択培地では染色体異常を起こした細胞のみが生育。

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〈共同リリース機関HP〉


本件に関する問い合わせ先

大阪大学大学院理学研究科生物科学専攻
准教授 中川 拓郎(なかがわ たくろう)
TEL: 06-6850-5432
E-mail: nakagawa.takuro.sci@osaka-u.ac.jp