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研究トピックス
2013/05/30 投稿

植物ホルモンの輸送を支えるメカニズムを解明!

~タンパク質の選択的輸送と細胞極性の研究の加速へ~

大阪大学大学院理学研究科の田中博和助教、北倉左恵子研究員らとゲント大学(ベルギー)の Jiri Friml 博士らの研究チームは、植物の成長に重要な働きをする植物ホルモン「オーキシン」の流れを作るために、植物は細胞内の膜系に存在する2つの因子(BEN1 と BEN2)を利用している事を明らかにしました。また、このメカニズムは、根の形成パターンや葉脈のつながり方などのさまざまな発生過程の制御に使われている事が明らかになりました。今回の発見はオーキシンの輸送の方向性の制御を理解する上で極めて重要であると考えられます。

なお、本研究成果は2013年5月30日 (米国西部時間)に米国の生物学専門誌「PLOS GENETICS」のオンライン版で公開されました。

 メカニズム図1

図1.BEN1とBEN2はPINタンパク質の細胞内輸送に関与している

(A) PIN タンパク質の働きによるオーキシンの輸送の模式図。PIN タンパク質が細胞膜で偏って分布し、オーキシンを排出することで組織の中でオーキシンが一方向的に輸送される(緑矢印)。

(B) 初期エンドソーム (TGN/EE) を介した輸送経路の阻害剤ES1を用いた実験。PIN2タンパク質を免疫染色により検出している。ben1変異体とben2変異体はES1に対する応答が野生型(WT)とは異なる。

(C) 細胞内のタンパク質輸送経路のモデル。BEN1は初期エンドソーム(TGN/EE)からの輸送、BEN2は初期エンドソーム(TGN/EE)への輸送に関わると考えられる。

本件に関係するリンク

細胞極性の形成・維持機構の研究

http://www.bio.sci.osaka-u.ac.jp/~hirokazu.tanaka/polarity-JP.html

植物生長生理学講座 田中 博和 助教

http://www.bio.sci.osaka-u.ac.jp/%7ehirokazu.tanaka/index.html

理学研究科 生物科学専攻 植物生長整理研究室

http://www.bio.sci.osaka-u.ac.jp/bio_web/lab_page/cell_physiol/sitepg/Kakimoto_Lab/homu.html

本件に関する問い合わせ先

田中 博和(たなか ひろかず)
大阪大学大学院理学研究科 助教
〒560-0043 大阪府豊中市待兼山町1番1号
Tel: 06-6850-5984   E-mail: hirokazu.tanaka@bio.sci.osaka-u.ac.jp