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研究トピックス
2022/11/17 投稿

ミトコンドリアDNAの“動き”の制御でミトコンドリアの機能を向上

 大阪大学大学院理学研究科の石原孝也助教、石原直忠教授らの研究グループは、ヒト由来の培養細胞を用いて、ミトコンドリアの中のDNAが、細長い管状のミトコンドリアに沿って輸送される分子機構を世界で初めて明らかにしました。
 ミトコンドリアは酸素呼吸により体内のエネルギー生産を担う重要な細胞小器官です。ミトコンドリアは内部に自身のDNAを持っており、このミトコンドリアDNAが適切に機能発現することが酸素呼吸には必要です。
 ヒト細胞の生細胞観察を行うと、ミトコンドリアDNAが細長いミトコンドリア内で活発に移動していることが観察できますが、そのメカニズムと役割はほとんど理解されていませんでした。
 今回の研究により、ミトコンドリア内膜のATAD3Aタンパク質が、ミトコンドリアDNAの輸送に働いていることがわかりました(図)。また、この現象がミトコンドリア活性の制御に関わることも見出しました。
 これらの発見を応用することで、ミトコンドリアの機能低下を伴う病態の治療技術構築への貢献が期待されます。
 本研究成果は、米国科学誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」に2022年11月16日(米国時間)に公開されました。
 DOI:https://doi.org/10.1073/pnas.2210730119

図. ミトコンドリア内膜タンパク質ATAD3Aは、ミトコンドリアDNAを動かす

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本件に関する問い合わせ先

大阪大学大学院理学研究科生物科学専攻
教授 石原 直忠(いしはら なおただ)
TEL: 06-6850-6706 
E-mail: naotada@bio.sci.osaka-u.ac.jp