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研究トピックス
2022/07/07 投稿

―葉の形はどのように決まるのか―植物の細胞分裂方向を調節するタンパク質を発見

 大阪大学大学院理学研究科のHasi Qimuge(ハス チムグ)特任研究員と柿本辰男教授らの研究グループは、RhoタイプGタンパク質が働きかけるタンパク質が植物における適切な細胞分裂方向の決定に必要であることを世界で初めて明らかにしました。
 動物においては、細胞分裂でできた娘細胞は移動することができますが、植物においては移動することができません。そのため、細胞分裂の方向の調節は極めて大事です。本研究グループは、活性化型RhoタイプGタンパク質に結合するRIPタンパク質をコードする遺伝子を破壊すると、葉の長軸方向に沿った分裂面の細胞分裂が減少し、細い葉ができることを見出しました(図)。葉の形は、細胞分裂の方向の調節に加え、どの細胞が増殖するかの調節、細胞の形などの調節によって決まります(図)。今後、これらの統合的理解で植物が特有の形の葉を作り上げる仕組みが解明されるでしょう。
 本研究成果は、日本科学誌「Plant Cell Physiology」に、7月2日(土)に公開されました。

図. 葉の形は、どの細胞が分裂するのか、どの向きに分裂するのか、細胞がどの向きに成長するのかの3つの要因で決められる。細胞の仕切りは、染色体が分離する前にPPBが存在していた場所に作られる。RIPを欠く植物では葉の長軸方向のPPBが減少していたことから、細胞極性の調節などを通してPPBの方向調節に関わっていると考えられる。

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本件に関する問い合わせ先

大阪大学大学院理学研究科生物科学専攻
教授 柿本 辰男(かきもと たつお)
TEL:06-6850-5421
E-mail: kakimoto@bio.sci.osaka-u.ac.jp