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研究トピックス
2022/02/10 投稿

皮膚炎が波のように拡大する原理を予測―計算機シミュレーションから治療戦略を提案―

 大阪大学大学院理学研究科の大学院生の須藤麻希さん(博士後期課程)と藤本仰一准教授の研究グループは、皮膚炎が拡大する現象の根底にある炎症調節機構を明らかにしました。これまで多くの皮膚炎で炎症領域が拡大することは知られていましたが、炎症の拡大を起こす炎症調節機構は解明されていませんでした。
 今回、本研究グループは、数理モデルの計算機シミュレーションにより、炎症領域が拡大する様子を再現することに成功しました。この結果から、皮膚炎が「波のように」拡大する仕組みが予測され、拡大を抑える条件を発見しました(図)。本研究成果は炎症調節機構の基礎となるとともに、動物実験に代わりうる研究手法を提供します。さらに本研究は、治療開発にも応用可能であるため、基礎と応用を同時に見据えた新しい免疫学の発展に寄与すると期待されます。本研究成果は、国際科学誌「PLOS ONE」より2月10日(木)午前4時(日本時間)に公開されました。

 

図. 炎症は波のように拡大/縮小することを予測

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本件に関する問い合わせ先

大阪大学大学院理学研究科生物科学専攻
准教授 藤本 仰一(ふじもと こういち)
E-mail: fujimoto@bio.sci.osaka-u.ac.jp