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研究トピックス
2022/01/13 投稿

蛍光タンパク質の蛍光強度を維持したまま組織・器官を透明化できる動植物共通の透明化法開発に成功~農作物の品種改良や脳の診断法開発に貢献~

 厚みのある組織や器官の深部を観察するためには、内部での光の反射・散乱・吸収を防ぎ、光の直進性を維持することが大切です。生物の組織・器官はさまざまな物質を含むため、そのままの状態で内部構造を知ることは困難です。そこで、組織や器官を光が通過できるように透明化する方法が開発されてきました。ところが、植物と動物では組織や器官に含まれる物質が異なるため、手法も別々でした。
 大阪大学大学院理学研究科の坂本勇貴助教、東京大学大学院新領域創成科学研究科の松永幸大教授ら、植物や動物の器官や組織を研究する共同研究グループは、動植物共通の組織・器官透明化法iTOMEI (improved Transparent Organ Method for Imaging)の開発に成功しました。従来の透明化方法の各ステップを綿密に見直し、改良を実施することで、蛍光タンパク質の蛍光強度を維持したままで、動植物の組織や器官を透明化できるようになりました。
 この透明化手法の開発により、生物の組織・器官の内部構造を動物・植物を区別することなく研究できるようになり、生物共通の器官形成や組織の成り立ちのメカニズムの理解に貢献することが期待されます。
 本研究成果は、2022年1月10日付けで国際科学雑誌「Communications Biology」のオンライン版に掲載されました。

 

図. イネ葉の透明化(左:未処理、右:iTOMEI処理)

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〈共同リリース機関HP〉

本件に関する問い合わせ先

大阪大学大学院理学研究科生物科学専攻
助教 坂本 勇貴(さかもと ゆうき)
TEL:06-6850-6765 FAX:06-6850-6765
E-mail: yuki_sakamoto@bio.sci.osaka-u.ac.jp