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    〜X線分光撮像衛星XRISMプロジェクト〜
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2024/08/23 投稿

宇宙航空研究開発機構(JAXA)より感謝状をいただきました
〜X線分光撮像衛星XRISMプロジェクト〜

2023年9月7日にH-IIAロケットで打ち上げられたX線分光撮像衛星XRISM(クリズム)の開発に貢献したとして、松本浩典教授(宇宙地球科学専攻)と萩原政幸教授(前、低温センター長)らのグループが、大阪大学低温センター(現、コアファシリティ機構 低温科学支援部門)とともに、宇宙航空研究開発機構(JAXA)より感謝状をいただきました。

XRISMには2種類の観測装置、X線マイクロカロリメータ※1(Resolve)とX線CCDカメラ※2(Xtend)が搭載されています。
低温センター豊中分室と吹田分室のメンバーは、Resolveの研究開発に不可欠であったヘリウムガスの液化をサポートし、XRISMに貢献しました。
松本浩典教授らX線天文学グループ(宇宙地球科学専攻)は、Xtendの開発をリードし、満月1個分に匹敵する広い視野で宇宙のX線画像を取得できる装置の実現に貢献しました。
これらの装置を通して、XRISMは星や銀河、そしてその間を吹き渡る高温ガス「プラズマ」を観測し、壮大な宇宙の謎を解き明かしていく予定です。

X線天文学グループと低温センター(当時)のメンバー

JAXAから届いた感謝状
(右上:Xtendで取得された約7.7億光年の距離にある銀河団Abell2319のX線画像、右下:Resolveで観測された大マゼラン星雲にある超新星残骸(星の爆発痕)のスペクトル)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※1 X線マイクロカロリメータ:X線が素子に当たった時に温度がわずかに上がることを利用して、観測対象の天体からやってくるX線光子1個1個の波長(エネルギー)を計測する装置。Resolveは従来の装置の数十倍のエネルギー分解能を持ち、これにより天体の温度や組成などを精密に測定できる。温度上昇は極めて小さいため、検知するためには装置を絶対零度近くまで冷やす必要がある。冷却には液体ヘリウムを用いるが、当時JAXAでは液体ヘリウムの入手が困難となっていた。

※2 X線CCDカメラ:天体からやってくるX線を捉えて画像として撮影する装置。撮影の原理は普通のデジカメと似たもので、半導体に入ったX線が電子に変換され、電気信号に変わることで画像を取得する。XRISM用のX線CCDは、従来のX線CCDよりも視野が大きいことが特徴。宇宙放射線への耐性も強化されている。

(参考)
X線天文衛星XRISMのファーストライト —X線CCDの開発に大阪大学が大きく貢献—

大阪大学理学研究科宇宙地球科学専攻 X線天文学グループ(松本研究室)

大阪大学コアファシリティ機構 低温科学支援部門(旧、低温センター)