1. HOME >
  2. 研究トピックス >
  3. 量子物質に新たな境界線
    ―磁性を生み出す近藤効果を実証―
研究トピックス
2026/01/20 投稿

量子物質に新たな境界線
―磁性を生み出す近藤効果を実証―

大阪公立大学大学院理学研究科の山口 博則准教授、冨永 悠大学院生(研究当時)、埼玉医科大学の古谷 峻介講師、大阪大学大学院理学研究科の木田 孝則助教、萩原 政幸教授、防衛大学校の荒木 幸治講師らの研究グループは、有機ラジカルとニッケルを組み合わせた有機無機ハイブリッド磁性体を用いて、量子スピンがネックレス状に連なる新しいタイプの近藤ネックレスの実現に成功しました。

本研究では、量子物質において知られている、スピンの大きさが量子状態を決めるという原理が、物性物理の基本現象である近藤効果にも当てはまることを世界で初めて実証しました。通常、近藤効果は、スピンが最も小さい場合には磁性を弱めることが知られています。しかし本研究において、スピンが1/2より大きい場合に、近藤効果が磁性を生み出す力として働くことを、実験と量子解析の両面から明らかにしました。つまり、スピンが最小の場合と、それより大きい場合で近藤効果の役割が根本的に入れ替わるという、量子物質に新しい境界線を示したことになります。本成果は、スピンの大きさによって量子状態を切り替えるという新しい制御原理を提示し、将来的には量子情報デバイスの実現に向けた革新的な基盤技術となる可能性が期待されます。

本研究成果は、2026年1月20日に国際学術誌「Communications Materials」にオンライン掲載されました。

本研究で合成した有機無機ハイブリッド磁性体[Ni(p-Py-V-p-F)(H2O)5]・2NO3の結晶構造とスピンの相関が創り出す近藤ネックレス。

近藤ネックレスにおける非磁性状態(飾りスピン1/2)と磁気秩序状態(飾りスピン1)の概略図。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

Related links

〈共同リリース機関HP〉

大阪大学 大学院理学研究科 附属先端強磁場科学研究センター
教授 萩原 政幸(はぎわら まさゆき)
TEL: 06-6850-6685
E-mail: hagiwara@ahmf.sci.osaka-u.ac.jp