大阪大学大学院理学研究科/北海道大学大学院情報科学研究院の赤井恵教授、北海道大学大学院情報科学院大学院生のKan Shaohua(カン ショウカ)さん(博士後期課程)、東京大学大学院情報理工学系研究科/同大学次世代知能科学研究センター 中嶋浩平准教授らの研究グループは、溶液内の電気化学電流がリザバー計算の能力を示すことを世界で初めて明らかにしました。
リザバー計算とは、現在新しい人工知能として期待されるニューラルネットワーク計算の一つです。現在この計算機を物理的に作ろうとする研究が世界的に大きな注目を集めており、固体素子だけでなくスピンや光、様々な素材が研究され始めています。
今回、赤井教授らの研究グループは、高い酸化還元反応を持つ酸性分子水溶液および、蒸留水の中に発生する端子間の電気化学電流を多数同時計測することにより、溶液内の電極表面に発生する化学反応と電気的過渡応答信号が、高度なニューラルネットワーク計算に必要な非線形問題を解決する能力を持つことを解明しました。これにより、イオンを含む溶液素材が、安全で安価な人工知能デバイス開発に利用できる可能性が示されました。
本研究成果は、米国科学誌「Advanced Science」に、2021年12月29日(水)に公開されました。
本件に関する問い合わせ先
大阪大学大学院理学研究科化学専攻
教授 赤井 恵(あかい めぐみ)
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E-mail: akai@chem.sci.osaka-u.ac.jp