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研究トピックス
2016/05/13 投稿

光刺激で伸縮するゲルを開発! -人工筋肉や電極などの新材料として応用可能-

大阪大学大学院理学研究科 基礎理学プロジェクト研究センター 原田 明 特任教授らは、環状多糖のシクロデキストリン(CD)と光刺激応答性分子であるアゾベンゼン(Azo)をセンサー&コントロール機能分子としてヒドロゲルに組み込み、高い靭性(延び)を有し、光の照射波長に応じて屈曲したり、収縮または伸長したりするゲルアクチュエータを開発しました。

今回のアクチュエータはホスト-ゲスト相互作用により輪分子とひも状分子を組み合わせ、輪分子がひも状分子を滑ることにより実現しました。今回の成果は、新たなメカニズムに基づいたミクロレベルでの分子の構造変化をマクロレベルでの材料の形態変化まで組み上げた世界で初めての例です。(下図)

今後、この光刺激応答性伸縮ゲルアクチュエータが、酸化還元、電気、疎媒性の変化などの外界刺激に応答する機能性材料の開発や、医療材料の素材として使用されることが期待されます。

本研究成果は、日本時間5月10日(火)0時に英科学誌「Nature Chemistry(ネイチャー・ケミストリー)」オンライン速報版で公開されました。

image20160513

(a) 架橋密度変化を利用した光刺激応答性ゲルアクチュエータの応答挙動の概念図。(b) 架橋点間距離を光制御するゲルアクチュエータの応答挙動の概念図。(c) 挿し違い分子の化学構造。(d) 挿し違い分子が組み込まれたゲルアクチュエータの化学構造。

本件に関する問い合わせ先

大阪大学大学院理学研究科 基礎理学プロジェクト研究センター
特任教授 原田 明(はらだ あきら)
E-mail:harada@chem.sci.osaka-u.ac.jp
 
大阪大学大学院理学研究科 高分子科学専攻
助教 高島 義徳(たかしま よしのり)
E-mail: takasima@chem.sci.osaka-u.ac.jp