(図1)高い還元力(NADPH)を生み出すPS I蛋白質の立体構造(左)。PS I蛋白質のスペシャルペア(P700と呼ばれるクロロフィル2量体)周辺の詳細構造(右)。スペシャルペアの片方が結合する側(PsaA side)のみを示す。アミノ酸配列の比較から、PS I蛋白質の各アミノ酸残基(Phe676, His680, Thr742, Thr743)は、緑色イオウ細菌の光合成蛋白質のアミノ酸残基(PscA-Leu617, -His621, -Leu688, -Val689)に対応すると推測された。このうちPscA-Leu688, -Val689をシステイン残基に改変したところ、FTIR法によりSH伸縮バンドとクロロフィルのケトC=Oのバンドシフトが検出され、PS I蛋白質の分子環境の再現に成功した。