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研究トピックス
2014/11/13 投稿

カーボンナノチューブ中に酸素分子による磁性ナノワイヤー作製! ―強磁場を使ってハルデン磁性体を実証―

大阪大学大学院理学研究科附属先端強磁場科学研究センター 萩原政幸 教授、首都大学東京大学院理工学研究科 真庭豊 教授、柳和宏 准教授、神奈川大学工学部 松田和之 准教授、新潟大学大学院自然科学研究科 奥西巧一 准教授の研究チームは、共同で単層カーボンナノチューブ(SWCNT) を用いて、酸素分子による新しい量子磁性体(ハルデン磁性体※)の作製と、大阪大学が本年新設した理学研究科附属先端強磁場科学研究センターの強磁場実験施設の装置を用いた実験的検証にはじめて成功しました。

この磁性体はハルデン磁性体と呼ばれ、これまで三次元結晶内部でニッケルイオンなどが鎖状になった化合物にのみ存在が確認されていましたが、今回、SWCNTの内部に酸素分子を鎖状に配列させ、原理的には1本のナノワイヤーとして取り出しうるハルデン磁性体を作製することができました。

今後は、新しいナノワイヤーの開発や、スピンにより情報を伝達・制御するスピントロニクス材料の開発など、応用の展開が広く見込まれます。

なお、本研究成果は、日本物理学会英文ジャーナル Journal of the Physical Society of Japanの11月号に発表され、注目論文に選ばれました。

※ハルデン磁性体:超伝導と同様な量子効果により、磁石としての性質が消失してしまう磁性体

単層カーボンナノチューブ中に酸素分子が配列した様子

単層カーボンナノチューブ中に酸素分子が配列した様子

本件に関する問い合わせ先

大阪大学大学院理学研究科附属先端強磁場科学研究センター
萩原 政幸
TEL : 06-6850-6685 E-mail: hagiwara@ahmf.sci.osaka-u.ac.jp

首都大学東京理工学研究科物理学専攻
真庭 豊
TEL : 042-677-2490 E-mail: maniwa@phys.se.tmu.ac.jp