自己組織化を経て得られる1次元2量体の合成
大阪大学大学院理学研究科の高見剛助教、分析機器測定室の川村和司技術職員は、自己組織化を利用して従来手法よりも容易な合成手法を用いることによって、2つの分子が1次元方向に連なった、新物質1次元2量体の合成に成功しました。また、この物質に含まれる特徴的な1次元空間を水素吸蔵に利用すると、本物質の吸蔵量は、室温における既存の金属有機構造体(MOF)の吸蔵量の中で、最大であることを発見しました。室温での動作性がこれまでの課題であり、それが克服できた理由としては、従来の単純な物理吸着や化学吸着とは異なる新しい吸蔵機構の可能性が示唆されたことにあります。本研究成果は、水素社会の実現に向けて、水素吸蔵の観点から貢献することが期待されます。
本研究成果は、2014年9月4日10時(米国東部標準時)、米国物理協会が出版する「APL Materials (Vol. 2, Issue 9)」のオンライン版にて公開されます。
自己組織化を経て得られる1次元2量体の合成
大阪大学 大学院理学研究科
物理学専攻 助教 高見剛
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