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研究トピックス
2014/08/07 投稿

狙った表面にピタッ!世界初!イオンに応答して接着能を示すゲルを開発

大阪大学 大学院理学研究科 原田 明 特別教授らは、特定のイオンに応答して、分子認識に基づく選択的な接着能を発現する機能性ゲルを開発しました (図1) 。本研究成果は、モノとモノの結合を精密にコントロールする新たな手法として、ソフトロボティクスやバイオマテリアルなど、様々な分野での応用が期待されます。

既存の接着性材料の多くは、様々な表面に対して、接触した瞬間に接着力を示します。望まない接着を防ぐには、特定の条件下でのみ、狙った対象と作用することが求められます。今回開発された高分子ヒドロゲル (CD-bpy gel) は、分子認識能を持つ環状多糖であるシクロデキストリン (CD) と、金属イオンと反応するビピリジル (bpy) とが共に組み込まれています。このCD-bpy gelは、CDの分子認識に基づく表面選択的な接着能を、金属イオンに応答して発現します。さらに、イオンの種類に応じて接着特性をコントロールすることができます。本研究は、ホスト-ゲスト相互作用による化学選択的な接着を、金属イオンという別の独立した化学刺激によって制御した世界で初めての成果です。

本研究はJST戦略的創造推進事業 (CREST) の一環として行われました。また、本研究の成果は、ロンドン時間8月7日に英科学誌「Nature Communications(ネイチャー・コミュニケーションズ)」オンライン速報版で公開されます。

ゲル

図1 : 金属イオンに応答して接着能を発現するゲル

本件に関する問い合わせ先

原田 明(ハラダ アキラ)
大阪大学 大学院理学研究科 高分子科学専攻 教授
〒560-0043 大阪府豊中市待兼山町1-1
Tel:06-6850-5445 Fax:06-6850-5448
E-mail:harada@chem.sci.osaka-u.ac.jp