理学研究科共通施設の質量分析センター(MSC)は、2025年4月1日に設立されました。
質量分析は感度・物質同定能力・測定対象の多様性に優れ、基礎科学はもとより、医薬・食品・環境といった社会生活に密着した分野から、先端材料開発や文化財の年代測定に至るまで、幅広く活用されています。測定対象の拡大に伴い、新方式の装置が次々と開発されており、対象に応じた装置の使い分けが不可欠となっています。しかし、多様な装置群を全て保有し、それぞれを十分に使いこなすことは容易ではなく、研究力の低下を招く場合もあります。
この課題を解決するためには、各研究室に点在する多様な質量分析装置を集約し、コアファシリティ化を推進するとともに、研究者の要望に対し、ワンストップで迅速かつ最適な分析ソリューションを提供できる体制の構築が不可欠です。
こうした背景のもと、理学研究科と基礎工学研究科、そしてコアファシリティ機構が連携し、装置と経験豊富な高度専門人材を結集して、学内外に共用可能な拠点として「質量分析センター」を設置しました。さらに、本学の質量分析分野における強みを活かし、装置メーカーやユーザー企業、学内外の研究者と連携して、新たな分析技術の開発を推進するとともに、研究基盤の強化・拡充と次世代研究者・技術者の育成にも積極的に取り組みます。