1. HOME >
  2. ニュース >
  3. サイエンスナイト2022(第5回)を開催しました
ニュース
2022/12/15 投稿

サイエンスナイト2022(第5回)を開催しました

2022年11月30日(水)に、理学研究科主催公開講座「サイエンスナイト2022」第5回を開催しました。
全6回シリーズの第5回となる今回も会場と後日YouTube限定配信の2通りの方法で行うことになり、「細菌が動くしくみを探る:自然が作り上げた超精密装置 ”細菌べん毛”」というタイトルで今田勝巳教授(高分子科学専攻)が南部陽一郎ホールにて講義を行いました。(司会:川口辰也講師(高分子科学専攻))
本講義では、まず微生物の運動について、細菌は「べん毛」を回して泳ぎ、真核生物(ミドリムシや精子等)は「鞭毛」の鞭打ち運動で泳ぎ、マイコプラズマは歩く(滑り運動)とのお話から始まりました。細菌べん毛の根元にある蛋白質分子でできたモーターは、細胞の外から内に流れる水素イオンをエネルギー源として1分間に18,000回転と車のエンジンより高速で回るとのことでした。続いて蛋白質分子の構造を調べる方法と最近の急速な発展の解説があり、その方法を用いて26個のFliFという蛋白質でできていると信じられていたMSリングと呼ばれるモーター主要部の構造が調べられ、2021年に今田先生らの研究グループによって34個であることが確定しました。また、さらに小さなモーターがべん毛モーターを回すという最近の説が紹介されました。最後に蛋白質は栄養ではなく分子装置であると話されましたが、細胞がこのような機能を持ち合わせていることに驚いた方も多かったのではないでしょうか。
講演後は、質問が続々と寄せられ、有意義な質疑応答となりました。