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    2021年度 数学科「高校生のための公開講座」
イベント
2021/09/29 投稿

【11/6 実施】
2021年度 数学科「高校生のための公開講座」

大阪大学理学部数学教室では、数学に興味を持つ若い皆さんのために、現代数学の様相と数学研究の実際、自然科学や社会科学に及ぼす数学の影響、文化としての数学の在り方などについて、多角的な視点から易しく解説する公開講座を以下の要領で開催します。

(日程)
2021年11月6日(土)
入場開始13:00
   13:30〜15:00(糟谷先生)
   15:20〜16:50(桑垣先生)

(会場)
大阪大学豊中キャンパス 理学研究科E棟 E404大セミナー室
   (満席の場合、サテライト会場E301にご案内します。)
※Zoomを使ったオンライン配信も行います。

(対象)
高校生・一般

(参加費)
無料

(参加登録)
事前にWebでの参加登録が必要です。

※参加登録等についてはこちら をご確認ください。
※新型コロナウイルスの感染状況により、公開講座の開催方法に変更が生じる可能性があります。変更がある場合は上記ホームページに掲載しますので確認して下さい。

(講師と概要)
講師:糟谷 久矢(大阪大学理学研究科数学専攻)
題目:現代幾何学への道–多様な世界の統一理解
概要:無限に登り続ける階段が存在する! 三角形の内角の和は180度ではないかもしれない! 止まって見ても動いて見ても光の速さは変わらない! 世界の見方一つで幾何学が変わる。今まで習ってきた幾何学のアップデートが必要だ。内側と外側の区別がつかない容器“クラインのツボ”の設計者である天才数学者クラインは、23才の時に『エルランゲンプログラム』として新しい幾何学のあり方を提示した(当時、クラインは23才ですでにドイツのエルランゲン大学の教授だった)。クラインの考え方を参考にして、多様な幾何学の世界の理解の仕方を考えてみよう。

講師:桑垣 樹(大阪大学理学研究科数学専攻)
題目:ホモロジー的ミラー対称性
概要:1980年台後半から1990年台前半にかけて、物理学の弦理論の研究から、二つの異なる幾何学(複素幾何学、シンプレクティック幾何学)を結びつける予想群が発見されました。
この予想群をひとまとめにミラー対称性予想といいます。これはとても不思議な予想で、シンプレクティック幾何学で曲線の数を数えることと、複素幾何学で積分を計算することが結びついたりします。
1994年に、M. Kontsevichは、ホモロジー的ミラー対称性予想を提唱しました。これはミラー対称性予想群たちを単一の予想にまとめあげていると考えられており、重要な予想です。しかし、それだけではなく、それが生み出すさまざまな数学的思想・哲学は現在の数学に広範な影響をもたらしている、という意味でも偉い予想です。ホモロジー的ミラー対称性はとても難しい予想でまだまだ完全解決には遠いですが、20数年の間に少しずつ理解が進展しています。
今回の講座では、ホモロジー的ミラー対称性の簡単な例を通じて、この予想の面白さを体感してもらおうと思います。また、数学と物理がいかに関わり合いながら発展し、ミラー対称性に至ったかについても紹介する予定です。

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