12月9日(水)、独立行政法人産業技術総合研究所 植村 壽公 博士による講演会、
「再生医療、創薬を目指した3次元培養法の開発と自動培養装置を用いたシステム化
-軟骨再生、iPS細胞の大量培養、肝臓毒性評価などへの応用-」が開催されます。
植村先生は大阪大学理学研究科物理学専攻で博士を取られ、現在は生物・医療系の研究者としてご活躍されています。産業技術総合研究所では上級主任研究員をしておられ、理学懇話会委員としても理学研究科をサポートしてくださっています。
事前申し込みは不要です。広く教員の方々、学部生/大学院生の方々のご参加をお待ちしております。
【開催概要】
日時:12月9日(水)15時~16時30分
場所:理学研究科D407教室
講演者:植村 壽公 博士
独立行政法人産業技術総合研究所 ナノシステム研究部門
講演要旨:
再生医療、創薬研究開発において、細胞の3次元培養による組織構築は必須の技術であり、早期の技術開発が切望されている。我々はNASAが最初開発した回転培養システム(RWVバイオリアクター)を基盤とし、種々の応用技術に展開すべく、改良、新たな開発を行ってきた。間葉系幹細胞からの骨・軟骨の再生、特に耳介軟骨膜幹細胞による弾性軟骨再生について、形成外科領域における臨床応用を目指した技術開発を行っている。iPS細胞の実用化には10の10乗個の細胞が必要とされているが、2次元継代培養では実現できない。回転培養システムを利用したスフェロイド培養によるiPS細胞の大量培養技術が有用でありシステム開発を進めている。さらには、創薬分野では、肝臓毒性の評価が実用化において重要な技術であるが、未だ有効な手法が確立されていない。3次元培養により、毒性評価の極めて高い感度が得られることを見出し、創薬用システム開発を進めている。これらの現状について解説する。
世話人:生物科学専攻 柿本 辰男 教授