大阪大学理学部数学教室では、数学に興味を持つ若い皆さんのために、現代数学の様相と数学研究の実際、自然科学や社会科学に及ぼす数学の影響、文化としての数学の在り方などについて、多角的な視点から易しく解説する公開講座を以下の要領で開催します。
(日程)
2024年11月4日(月)13:30〜15:50
※入場開始13:00
(会場)
大阪大学豊中キャンパス 理学研究科E棟 E404大セミナー室
※満席の場合、サテライト会場E301にご案内します。
(対象)
高校生・一般
(参加登録)
参加希望の方は登録フォームにて登録をお願いします。参加費は不要です。
(講師と概要)
講師:武田 秀一郎(大阪大学理学研究科数学専攻)
第1部:13:30〜14:30
題目:p-進距離
概要:数直線上の2点、例えば10と11の間の距離は1なのに対し、10と15の距離は5離れています。これだけ見ると、10と11の方が10と15より「近い距離」にあります。ところが、整数という観点から見れば10と15の方が10と11より性質が似ています。実際、10と15は両方とも5で割れるのに対して、10と11では共通の素因数がありません。つまり、10と15の方が10と11よりも「近い距離」にあると言えなくもないのです。このことは5-進距離という通常の距離とは異なる概念を用いて説明することができます。このような距離は、各素数pに対して定義することができ「p‐進距離」と呼ばれています。この講座では、このp-進距離に関してお話していきます。
第2部:14:50〜15:50
題目:アメリカで実現する研究者への道
概要:この講座は個々の数学のテーマについてお話するのではなく、アメリカで博士号を修得しその後約15年間に渡って米国の複数の大学で教育及び研究に従事した経験を持つ講演者が、日米の大学制度の違いや、研究者としてのキャリアパスの組み立て方、講演者自身の体験談などについてお話したいと思います。