化学は、物質とその変化を研究する自然科学の中でも最も基本的なものの一つです。化学の目的と使命は、自然界に存在する物質の成り立ち、性質や 働きを理解することであり、物質の機能や特性の利用によって、さらには新しい物質の創造によって、よりよい社会作りに貢献することです。化学の研究の対象 は、原子から分子へ、分子から高分子へ、そしてこれらの物質の集合体へと広がり、一方でアミノ酸に始まり、蛋白質、酵素、核酸などから生命そのものへと限 りなく広がっています。これらのどの段階においても、いろいろな化学反応や変化が起っていますし、大きな社会問題となっている環境問題もほとんどが化学の 知識の間違った使い方が関係しています。それゆえ、化学を学んだ者は自然界の物質が関わる多様な現象から自然の哲理を学びつつ、人間社会の自然との共生や 発展に大いに寄与できます。化学は皆さんが普通考えている以上に身近なもので、将来もその重要性は変わらず、化学者の果たすべき役割はますます大きくなる でしょう。
無機化学系の学生実験
化学科の構成と研究分野
大阪大学理学部化学科は、昭和6年に設立されて以来、80年近くにわたって、常に化学における最先端の研究活動を展開してきました。研究分野も発展的に 分岐して、無機化学、分析化学、有機化学、物理化学を骨格として、その境界領域も埋められ、高分子科学が加わり、さらに自然科学の基幹をなす熱力学を専門 に研究する構造熱科学研究センターを擁するまでに至っています。さらに大学院重点化による改組を経て、その規模はわが国で最大級の基礎・純粋化学の研究機 関となっています。また、常に世界的視野に立ったこのような活発な研究活動を基盤とした教育システムは、これまでに数え切れないほど多くの優れた人材を生 み出してきました。卒業生の多くが、いま現在も国内外の実業界や教育、研究の現場で活躍を続けています。
当化学科では自由で個性的な研究と教育を行うことを特徴としており、その分野は大きく無機化学、物理化学、有機化学、高分子科学の4つに分けることができます。
表面化学反応の立体効果を探る
超高真空対応型配向分子線装置
【無機化学分野】
無機化学分野では、分析化学、無機化学および放射化学の領域にわたる幅広い研究・教育が行われています。自然界には多種多様な物質が分布しています。そ れらの物質(分子や微粒子)の分離と検出、表面や界面での分布と構造、さらには反応性を明らかにするために、光やX線の吸収・反射を調べたり、新しい界面 反応測定法や微粒子泳動分析法の開発を行っています。また、鉱物や生体など自然界にある、いろいろな原子やイオン、分子を含む金属錯体も主要な研究対象で す。いろいろな金属イオンを含む新しい錯体を合成し、電子スペクトル、核磁気共鳴スペクトル、X 線構造解析などによって、それらの固体や溶液における化学的性質が化学結合や立体構造とどのように関係しているかを調べたり、今までにない珍しい酸化状態 の錯体や錯体独特の相互作用による分子の識別について研究しています。生体系で重要な役割をしている金属イオンを含んだタンパク質や酵素についても、その 構造と機能の関係を調べるとともに、モデル錯体を通して実際のタンパク質の活性中心での金属の役割を研究しています。さらに、原子核の壊変が関わる化学、 原子番号が100番を越える超アクチノイド元素の合成とその化学的性質、ミュー粒子やパイ中間子など電子以外の粒子で作られる人工原子(エキゾチックアト ム)などの研究も進められています。このように、全く新しい原子をも視野に入れた、広い物質観のもとに研究と教育が行われています。
世界的にもユニークな極低温熱量計
【物理化学分野】
物理化学分野では、試験管の中から宇宙までにわたる森羅万象の生起を支配する熱力学という体系に則って、液体や固体におけるエネルギーの出入りを精密に 測定したり、新しい化学反応が起るかどうかを予測したりします。この分野は、理学研究科附置の構造熱科学研究センターを中心に、超精密熱測定機器を備え、 世界の熱力学研究のメッカとなっております。一方、原子や分子が織りなすミクロな世界を調べるためには、結晶のミクロな構造を直接調べることができるX線 回折の技術と、光や電磁放射線を媒体として原子、分子の構造や性質、さらには反応性に至るまでをつぶさに調べることができる分光学という手法を使います。 分子の内部で起っている分子振動を調べるには、赤外線吸収とラマン散乱法を使います。これらの確立した方法による成熟した学問にくわえて、近年非晶質や界 面吸着相が新しい分野として登場し、当化学専攻を拠点として中性子散乱などの全国共同利用施設を利用する学際的なスタイルの研究を行っています。また結合 にあずかる電子や分子中を動きまわる電子の性質を調べたり、反応活性を有する分子や反応中間体を研究するには、独自な工夫をこらした分光法を使います。二 分子の間の衝突のさせ方を制御できる配向分子線法や反応活性分子を瞬間的につくり出すフェムト秒パルスレーザーを用いた時間分解吸収スペクトル法、超高速 表面光電子分光法なども化学反応を追跡するのに使います。分子の電子状態や構造、反応のしやすさ、固体によく見られる磁性の発現の基本原理などを計算機を 使って理論的に研究したり、液体や特異な性質をもつ固体の構造などについてシミュレーションを行ったりする分野もあります。また、タンパク質などの生体分 子も、分光学や理論的研究の新しい研究対象になっています。固体や液体中の分子の構造や材料としての特性などを詳しく調べるには、核磁気共鳴分光学を使い ます。核磁気共鳴を専門とする研究室があるほか、共通の実験装置と人材が非常に充実しており、わが国でも屈指の研究機関の一つとなっています。
【有機化学分野】
有機化学分野では、主に以下のような2つの方向で、学生と共に未開の分野を開拓する独創性溢れる研究を行っています。一つは、生体がつくりだす有機化合 物が作用している未知の世界を化学の目で観察することです。新しい有機化合物や酵素の発見と構造解析、それらの化合物が持つ新しい生理活性の発見、化合物 が生体中で作用しているメカニズムの解明などです。これらの研究を通して自然の中から新しい概念を見出すことにはこの上ない喜びがあります。糖と脂質から できた細菌毒素、細胞機能を変える多糖、特異的に存在するオリゴ糖、海洋生物の作る強力な生理活性物質やフェロモン、植物の細胞壁、それらを加水分解また は合成する酵素、ある分子と結合することによってはじめてその機能を発揮する生体膜の脂質や蛋白質などを研究の対象としています。もう一つの方向は自然界 にはない有機化合物を扱うものです。有機化学者には構造・物性・機能の点から興味深い有機化合物を自分で考え出して、これを合成して実際に手に入れる特権 と喜びがあります。化合物に新しい性質を与えるために化学構造を経験的・理論的・計算科学的に設計し、それらを合成し、得られた化合物の3次元構造、性質 や生理活性を解析して、なぜその構造がその性質を持つかを調べる研究も活発です。ここでは、機能性光物性、安定遊離基、超伝導性、電気伝導性、強磁性など の性質を持つパイ電子系有機化合物、複数の分子が弱い結合でつながった分子集合体のような有機化合物が研究の対象です。また、ひとつずつの分子を画像化し その形状や物性を調べる研究もしています。以上の研究を行うために、核磁気共鳴、常磁性共鳴、X線回折、質量分析などの最新の分析方法はもとより、各種ク ロマトグラフィー、遺伝子工学、走査プローブ顕微鏡やナノリソグラフィーの技術も活用しています。さらに、化合物を効率よく合成するための新しい反応や独 自の理論による分析方法の開発を行い、全く新しい研究分野を開拓するための足がかりとしています。
【高分子科学分野】
私たちの身の回りは、様々な高分子材料であふれています。例えば、スーパーでもらう買い物袋や自動車のタイヤが合成高分子であることを知っている人は多 いでしょうが、防弾チョッキに合成高分子が使われていることを知っていますか。そもそも、私たちの体自体がタンパク質や多糖などの生体高分子からできてい ます。また、私たちの衣食住を考えても、木綿、羊毛、肉、でんぷん、家具、浴槽など、高分子でないものを探す方が難しいほどです。私たち高分子科学グルー プでは、多様な高分子を様々な側面から基礎学問として研究しています。私たちの研究活動を簡単に紹介します。
特殊な機能や優れた特性を備えた高分子を作り出すためには、精密に高分子を設計・合成する必要があります。重合反応においては、モノマーに開始剤を加え ることによってラジカルやイオンができ、それらが次々に他のモノマーと連結して長い鎖が形成されます。生体内ではこの反応がほぼ完全に制御されています が、従来の合成法では限界がありました。そこで、反応のメカニズムを徹底的に研究することにより、長さや構造がかなり揃った高分子が極めて短い時間で合成 可能になりました。これらの結果を利用すると、例えばわずかな熱の変化を感じて応答する新しい高分子も合成できます。
高分子に独特な反応系とはどのようなものでしょうか。それを実現しているものの一つに、蛋白質やDNA等の生体高分子があります。例えば酵素は、活性中 心をポリペプチド鎖で取り囲み、反応性を制御していますが、この制御機構を詳しく研究すると、蛋白質内部の水素結合ネットワークが非常に重要であることが 判ってきました。活性中心のモデル化合物を水素結合を含めて合成すると、実際の蛋白質と似た挙動を示すことが見いだされました。このような天然の仕組みを 研究し、その本質を取り入れることで新しい機能を持つ高分子が実現されます。
希薄溶液中における個々の高分子の形、大きさ、性質、分子間相互作用を明らかにすることは、精巧な分子機械、材料の創製や生命科学の発展への基礎として 大変重要です。本グループでは、高分子の多様な分子形態と物理化学的性質の相関を統一的に理解することを目的として、高分子希薄溶液を精密な実験と理論に 基づく解析によって研究しています。多くの高分子は長い糸を丸めたような形をとっていますが、天然多糖には分子鎖が3本集まった棒状の三重らせんや2本か らなる二重らせんも存在します。そのような多糖は医薬品、食品、化粧品などに利用されています。
細菌は、多数の蛋白質が集合してできた分子モーターを使って泳ぎ回ります。回転子・固定子・分子ベアリングなど、その構成はまるでヒトが作った機械のようですが、大きさは数十ナノメートルと極小です。細胞中では、このような多数の生体高分子でできた分子機械が様々な機能や化学反応を担い、生命活動を支えています。生体高分子の機械は人工システムと異なり、高精度といい加減さを両立させながら小さなエネルギーで機能します。その作動機構や形成機構を原子レベルの構造解析と分子機械の再構成を通じて調べています。このような研究は、生命科学や医学薬学の発展に直結するとともに、ナノスケールで機能する分子機械を設計するための基礎となります。

回転分子モーターである細菌べん毛の回転構造
活性端末がマイナスイオンの高分子の会合状態と重合反応
たとえば、高分子の非常に小さい凝集体中に薬を内包して投薬し、患部で薬を有効に放出する技術が最近開発されています。また、子孫に遺伝情報を伝えるた めに核酸を複製したり、生命活動に必要なタンパク質を核酸の持つ情報に従って生合成する際に、反応を進行させる酵素と核酸(どちらも高分子)との複合体の 形成と解離が非常に重要なプロセスとなります。このように、少数の高分子の集合現象は、高分子を利用した工業や分子生物学において重要な役割を演じてい て、各々の集合体構造や構造形成・崩壊過程の研究は、高分子科学における重要なテーマとなっています。
近年、架橋点が自由に動くゲルや、電場で曲がるゲルなど、新しい高分子材料が見つかっています。こうした新しい機能は、高分子の持つ「やわらかさ」をう まく利用したものです。この「やわらかさ」は、高分子が長いひも状分子であって、形態を絶えず分子運動によって変えていることに由来します。したがって、 高分子に固有の分子運動を調べることは、高分子科学の重要なテーマです。高分子をはじめとして、液晶やミセルなど、「やわらかい物質」には、外場によって 自由に構造を変えることができる特徴があり、この分野にはまだまだ知られていない新しい現象が残されていると考えられています。
シクロデキストリンという環状分子があります。これをポリマーとまぜあわせると、不思議なことに、ポリマーの周りに環状分子がいくつも串刺しされた構造 が形成され、ちょうどネックレスのようになります。このように分子と分子が組みあわさって大きな、しかも安定な分子、超分子ができあがります。超分子の学 問は酵素タンパク質と基質との結合による生体反応などを調べる上でも極めて有力な情報を与えてくれます。
シクロデキストリン誘導体による
らせん超分子ポリマー
化学科のカリキュラム
化学科の学部教育では、幅広い自然科学の教養と化学の基礎をしっかりと学ぶことに重点を置いています。化学科に入学してきた諸君は、まず、人文科学や社 会科学、外国語、情報処理科目などの共通教育科目に加え、1年次から2年次前半まで共通教育の専門基礎教育科目として「理学部コア科目」を受講することに なります。これらの科目は理学というスタンスに立ち、広い教養と基礎学力を身につけることを目的として設けられたものです。したがって、数学、物理学、化 学、生物学の基礎として重要な授業と実験が必修科目として、また少し専門性が高いものが選択科目として配当されています。この目的を理解する雰囲気をつく るためもあって、1年次の授業は全学科の学生を含んだ混成クラスで受講し、理学部全体で共通のカリキュラムを履修することになります。この時期は、学科を 越えた友人ができる良い機会でもあり、様々な分野を志す学生諸君のつながりは、将来の諸君の大きな財産になるでしょう。また、入学後まもなくして合宿研修 があります。大学を離れて一泊の合同生活の中で、新たな友人との出会いがあり、将来のこと、化学科のこと、研究の紹介など、いろいろな話題を教員を交えて じっくり語り合える貴重な機会です。
化学科の専門教育科目として表にあるような科目が用意されています。1年次で配当されている専門の授業は「防災概論」、「化学入門セミナー1、2」、 「理学への招待」です。「防災概論」は必修科目となっています。「化学入門セミナー1、2」と「理学への招待」は専門教育科目の選択科目に当たりますが、 全員受講することを前提としています。「化学入門セミナー1、2」は、化学及び化学科についての詳しいガイダンスと少人数グループでのセミナーを行う学生 参加型の授業です。また「理学への招待」は、最先端での研究や理学としての考え方などを外部講師の先生をお呼びし、わかり易くお話し頂く講義です。2年次 からは、いよいよ本格的に化学の専門教育科目を学びます。2〜3年次では、無機化学、有機化学、物理化学、高分子科学などの基礎を体系的に学び、演習によ りその知識をさらに確実なものとします。同時に化学実験の基礎技術や安全に関する知識を習得します。さらに3年次から、選択科目を中心にやや高度専門的な 化学を学び、1月になると研究室に配属され最先端の研究の一端に触れることになります。4年次ではそれぞれの研究室で教員の指導のもと卒業研究(化学特別 研究あるいは高分子科学特別研究)を行います。大学院へ進学してさらに高度な教育を受け研究を志す者には、大学院博士課程(化学専攻や高分子科学専攻)が 設けられています。
理学部コア科目(専門基礎教育科目)は次のようになっています。
| 必修: | 線形代数学1;線形代数学2;基礎解析学1;基礎解析学2; 物理学1A,1B/物理学序論1;物理学2A,2B/物理学序論2;基礎化学1; 基礎化学2;生物科学コアA; 自然科学実験1;(数学、物理、化学、生物・地学) |
| 選択: | 確率・統計;現代物理学入門;基礎化学3;生物科学コアB; 宇宙地球科学1;宇宙地球科学2; 自然科学実験2(物理、化学、生物、地学) |
化学科の専門教育科目は次のようになっています。
| 必修科目 | |||
| 分析化学1 | 量子力学概論 | 防災概論 | 化学特別実験 |
| 無機化学1 | 化学熱力学 1 | 基礎化学実験 | |
| 有機化学1 | 化学反応論 1 | 化学実験 1 | |
| 有機化学2 | 高分子科学 | 化学実験 2 |
| 選択必修科目A群 | ||
| 化学特別研究 | 高分子科学特別研究 | |
| 選択必修科目B群 | ||
| 量子力学演習 | 無機放射化学演習 | 有機化学演習 2 |
| 統計熱力学演習 | 有機化学演習 1 | 高分子科学演習 |
| 選択科目 | ||
| 化学入門セミナー1 | 分子構造論 1 | 高分子物理化学 1 |
| 化学入門セミナー2 | 分子構造論 2 | 高分子物理化学 2 |
| 化学発展セミナー | 物性化学 | 高分子合成化学 1 |
| 分析化学2 | 有機化学 3 | 高分子合成化学 2 |
| 分析化学3 | 生化学 1 | 化学プログラミング |
| 無機化学2 | 生化学 2 | 化学文献調査 |
| 無機化学3 | 有機生物化学 | 無機工業化学 |
| 放射化学 | 有機化学演習3 | 有機工業化学 |
| 無機放射化学特論 | 有機機器分析 | 科学技術論 A |
| 統計力学概論 | 有機金属化学序論 | 科学技術論 B |
| 化学熱力学2 | 有機化学演習4 | 理学への招待 |
| 化学熱力学3 | 化学への道程と私たち | 科学英語基礎 |
| 量子化学1 | 化学オナーセミナー 1 | 数値計算法基礎 |
| 量子化学2 | 化学オナーセミナー 2 | |
| 化学反応論 2 | 化学オナーセミナー 3 | |
| 化学反応論 3 | 化学オナーセミナー 4 |
化学科Q&A

これまで、当化学科について簡単に紹介してきましたが、皆さんが知りたいことはもっとあるでしょう。いくつかの質問に答えてみましょう。
Q.化学を学んで、研究者になるにはどのようなことが必要でしょうか。
A.化 学に限りませんが、まず大事なのは、「好奇心」と「探求心」です。好奇心を持ち理由を明らかにしようとする探求心は研究の大きな原動力です。また、勉強と 研究に対する継続的な努力、新しいことに挑戦する勇気、そして、研究は常にうまく行くとは限りませんから、問題解決のためには柔軟性と忍耐力も必要となり ます。化学の研究では実験が大きなウェイトを占めますので、実験好きの学生さんを歓迎しますが、実験が苦手でも化学をやりたい人は、理論や計算機化学を専 門とする研究室に入るといいでしょう。小さなことでも目的を達成するとうれしいもので、それによって自信と新たな興味が生まれ、新しい研究の原動力になり ます。
Q.“化学”という名の付いた学科は、大阪大学には理学部以外に工学部、基礎工学部や薬学部にもありますが、いったいどこが違うのでしょうか。
A.当 然疑問に思われる点だと思います。それぞれ特徴を持っていますが、お互いの研究領域が一部重なり合っている部分もあり、はっきりとした境界線を引けない面 もあります。しかし、一般的には、理学部では化学の広い分野にわたって主として基礎的・学術的研究を行っているのに対し、他の学部ではそれぞれの目的に 添った化学の限られた分野での応用的研究に重点があります。ご存じのように、日本の科学技術はたいへん進んできましたが、基礎科学の分野でももっと世界に 貢献することが求められており、理学部の役割もますます大きくなっています。“理学”の基本は“なぜ?”という好奇心です。これに答えるにはしっかりとし た基礎学力と柔軟な思考が必要です。実力を充分養った理学部の卒業生は応用力にも優れているので、社会的にたいへん高い評価を受けています。
Q.環境問題に関心があるのですが化学科で勉強できますか。
A.環 境問題のほとんどが化学に関わっていますし、実際に各分野で環境問題に取り組んでいる卒業生も多くいます。将来その分野で貢献するためには、なるべく広い 視野で基礎をしっかり勉強することが必要になります。当化学科には、「環境」を冠した講義や研究室こそありませんが、カリキュラムの内容は充分それに対応 しており、広い意味で環境に関わる研究も多く行われています。
Q.理学部では大学院に進学する人が多いようですがどうしてでしょうか。
A.確 かにかなり多いといえるでしょう。これには主に2つの理由が考えられます。まず、一般的に理学部の学生はもともと学究心・研究心に富む人が多く、学部での 学究的雰囲気の中で研究を始めるようになると、研究に興味を覚え、大学院に進学してさらに深く学び、経験を積みたいと希望するようになります。次はもっと 現実的ですが、企業の研究部門では、研究経験を積んだ修士や博士の人を求める傾向にあり、それを考慮して進学する人もいます。いずれにしても、多くの人が 大学院生の間に研究者として大きな成長を遂げます。
Q.化学科卒業生の進路、就職状況はどうなんでしょうか。
A.学部卒業生の約90%の人は 大学院に進学し、約10%の人が就職しています。大学院では、多くの人が修士課程修了後に企業に就職していますが、さらにその約4分の1の人が博士課程に 進んでいます。博士課程を修了して学位を取ると、主に大学や国立の研究機関に就職し、第一線の化学者として活躍しています。最近では企業の研究所に就職す る人も増えています。最近5年間の進路、就職状況を次ページにまとめてありますが、化学科には、毎年平均して400件に及ぶ求人があります。やはり化学系 企業への就職が最も多いですが、最近は電気・情報など他の分野への進出も増えており、卒業生は各分野で活躍しています。
Q.入学前に大学を見学できる機会はありますか。
A.もちろん何回かのチャンスがあります。基本的には、春の「いちょう祭」(5月初め)と秋の「まちかね祭」(11月初め)の時に大学内公開になりますし、8月 には大学説明会があります。大学祭中は多くの研究施設などの公開がされており、化学科でもいくつかの研究・教育施設や研究室の紹介や公開をしています。今 年の「いちょう祭」では研究室の紹介ツアーを企画しましたが、高校生も多く参加し好評だったようです。また、「夢化学」というイベントを毎年開催してお り、そこで「1日体験入学」が行われています。これにも多くの高校生が参加し、最先端の研究施設の見学や実際にいろいろな実験をすることで大学生活の一端 を経験しています。
卒業生の進路状況
| 最近5年間(平成18年〜22年)の学部卒業生・大学院修了者の進路状況 |
| 化学 |
|
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最近5年間の主な就職先内訳(化学)
| 分類 | 企業名 | |
| 食品 | JT | |
| キリンビール | ||
| サントリー | ||
| 日新オイリオ | ||
| ミツカン | ||
| 繊維 | 帝人 | |
| 東洋紡績 | ||
| 東レ | ||
| 三菱レイヨン | ||
| 化学 | DIC | |
| P&G | ||
| 旭化成 | ||
| 荒川化学工業 | ||
| エスケー化研 | ||
| 大塚化学 | ||
| 花王 | ||
| カネカ | ||
| クラシエ | ||
| クラレ | ||
| 三洋化成工業 | ||
| 信越化学工業 | ||
| 住友化学工業 | ||
| 住友ベークライト | ||
| ダイセル化学工業 | ||
| 大日本インキ化学工業 | ||
| 東ソー | ||
| ナガセケムテックス | ||
| 日本触媒 | ||
| 日油 | ||
| 日立化成工業 | ||
| 富士フィルム | ||
| 三井化学 | ||
| 三菱化学 | ||
| 三菱ガス化学 | ||
| ユニチャーム | ||
| 医療・医薬品 | アステラス製薬 | |
| アストラゼネカ | ||
| エーザイ | ||
| 小野薬品工業 | ||
| 大塚製薬 | ||
| 沢井製薬参天製薬 | ||
| 塩野義製薬 | ||
| 大日本住友製薬 | ||
| 武田薬品工業 | ||
| ロート製薬 | ||
| ゴム | 住友ゴム工業 | |
| ブリヂストン | ||
| 鉄鋼・金属 | 住友ゴム工業住友金属工業 | |
| 住友電気工業 | ||
| 東洋アルミ | ||
| 日本精線 | ||
| 機械 | ダイキン工業 | |
| 三菱重工業 | ||
| 電機・電子 | キャノン | |
| コニカミノルタ | ||
| シャープ | ||
| セイコーインスツルメンツ | ||
| セイコーエプソン | ||
| ソニー | ||
| 東芝 | ||
| 日東電工 | ||
| パナソニック | ||
| パナソニック電工 | ||
| 日立製作所 | ||
| 富士ゼロックス | ||
| 村田製作所 | ||
| 精密・諸工業 | テルモ | |
| ニチコン | ||
| 商社・卸売・小売 | ダイソー | |
| 金融・保険 | 三井住友銀行 | |
| 通信・情報 | TIS | |
| シーテック | ||
| 電力・ガス | 東京ガス | |
| その他 | ウィルウェイ | |
| 日本写真印刷 | ||
| ワールドインテック | ||
| 官公庁 | 防衛省 | |
| 富山県 | ||
| 愛知県 | ||
| 奈良県 | ||
| 鳥取県 | ||
| 島根県 | ||
| 鹿児島県 | ||
| 名古屋市 | ||
| 堺市 | ||
| 箕面市 | ||
| 研究・ 検査機関等 |
食品総合研究所 | |
| 産業技術総合研究所 | ||
| 新エネルギー・産業技術総合開発機構 | ||
| 日本原子力開発機構 | ||
| 日本食品分析センター | ||
| ペプチド研究所 | ||
| 早稲田環境研究所 | ||
| 日本学術振興会研究員 | ||
| 大学 | 大阪大学 | |
| 名古屋大学 | ||
| 京都大学 | ||
| 徳島大学 | ||
| 北陸先端科学技術大学院大学 | ||
| 大阪市立大学 | ||
| 立命館大学 | ||
| 外国の大学 | ||
| 教員・学習支援 | 中高校教員 | |
| 予備校等 | ||


