このページはサイエンスナイト2023の開催記録です。
最新のサイエンスナイトの情報はこちら

VISION

知的好奇心の扉を開く

この世は謎に満ちています。
私達は、なぜ今ここにこうしているのか、それを知りたいと思いませんか。
この世(宇宙)の始まりやこの世の果てを知りたい、
この世を形づくっている物の起源を知りたい、
私たちの体がどういう仕組みで動いているのか、
つまり私たちがなぜ生きているのかを知りたい、
いろいろな物質の不思議な性質の仕組みを知りたい・・・。
理学の研究は、そんな素朴な疑問や興味から出発した研究です。
その成果の一部を、多くの方に紹介し、
少しでも“おもしろい!”という気持ちを
共有していただけたら、と思ってこのイベントを計画しました。
どうか、ひとときの科学の夕べをお楽しみいただければ、と思います。

SCHEDULE開催日程

2023
5.17(水)
18:00~19:30
波多野 恭弘
宇宙地球科学専攻 教授
地震予知はなぜ難しいのか?

日本の主要な自然災害の一つは地震ですが、地震も自然現象である以上は科学的な理解を通じてその脅威を少しでも軽減できるはずです。しかし地震予知は一向にできるようになりません。これはなぜなのでしょうか。湯川秀樹が大阪大学教員時代に中間子の存在を理論的に予言したように、物理学的な自然理解の究極形は予言です。では地震についても物理的な理解がもっと進めば地震発生を予言できるようになるのでしょうか。この講演では、地震の物理的な理解とはどのようにあるべきか、地震予知ができるようになるとしたらどのような原理に基づくべきなのかを易しく解説します。

申込期間:4月3日(月)~5月3日(水)
お申し込み受付は終了しました。
開催レポートはこちら
2023
6.21(水)
18:00~19:30
吉永 正彦
数学専攻 教授
形を数える~トポロジーと組合せ論の交差点~

「部屋にいる人の数」「袋に入っている飴の数」などなど、「数える」という行為は日常生活のあらゆる場面で行われます。「数える」ことは現代数学でも重要な研究テーマ(組合せ論)です。一方、トポロジーは「図形や空間の形」を大雑把に把握する分野で、よく言われているように「コーヒーカップとドーナツを同じとみなす」くらい大雑把です。これらの分野は別のことをやっているように見えて、実は密接に関係しています。「点の個数を数えていると『形』が見えてくる」という現象について最近の研究を交えながら紹介したいと思います。

申込期間:4月3日(月)~6月7日(水)
お申し込み受付は終了しました。
開催レポートはこちら
2023
7.19(水)
18:00~19:30
笠松 良崇
化学専攻 教授
重い元素の合成とその性質

最新の周期表には原子番号1番から118番までの118個の元素が記載されています。現在、新しい元素の発見は、より原子番号の大きな重い元素の合成によりなされています。そして、新しく発見された新元素の性質、特に化学的性質を調べることは非常に難しいです。本講義では、113番元素ニホニウムの合成を例に重元素の合成を説明し、102番元素ノーベリウムや104番元素ラザホージウムといった重元素の化学研究について紹介します。

申込期間:4月3日(月)~7月5日(水)
お申し込み受付は終了しました。
開催レポートはこちら
2023
10.18(水)
18:00~19:30
西岡 辰磨
物理学専攻 教授
量子もつれと時空

素粒子のようなミクロな世界は量子論で説明されており、そこでは量子もつれと呼ばれる量子論特有の現象があらわれます。一方、天体のようなスケールの時空の物理は相対性理論で記述されており量子論とは無関係に見えます。しかし近年の研究で、量子もつれと時空の間に意外な関係があることがわかってきました。講演ではこの不思議な関係性をホログラフィー原理の観点から紹介します。

申込期間:4月3日(月)~10月4日(水)
お申し込み受付は終了しました。
開催レポートはこちら
2023
11.15(水)
18:00~19:30
高島 義徳
高分子科学専攻 教授
分子接合により自ら傷を治療する未来材料

近年、高分子材料には、高強度・高靭性や高耐久性などの更なる機能化が求められており、従来には無い分子設計と材料設計が必要です。高分子の分子設計として、化学架橋だけでなく、可逆性の架橋や可動性の架橋を導入することで、力学特性が大きく変わるだけでなく、分子接着性や刺激応答性といった機能を付与できます。本講義では、最近の高分子材料や自己修復材料について紹介します。

申込期間:4月3日(月)~11月1日(水)
お申し込み受付は終了しました。
開催レポートはこちら
2023
12.20(水)
18:00~19:30
柿本 辰男
生物科学専攻 教授
生物の成り立ち

それぞれの生物を作る情報は全てゲノムにあります。ではゲノムは生命の設計図なのでしょうか?まずゲノム情報と生物の成り立ちについて何がわかっているのか、何が分からないのか、生物はどのようにして生み出され、今後どうなるのかを私の考えを述べます。また、私は植物の形態形成を専門として研究していますので、動物と植物の成長の戦略の違いを説明し、植物の形がどのように作り出されるのかに関する研究の一端も紹介します。

申込期間:4月3日(月)~12月6日(水)
お申し込み受付は終了しました。
開催レポートはこちら

VOICEサイエンスナイト2023 参加者の声

  • 卒業以来、学内で講義を受けるということ自体が今では非日常の体験だった上に、周りで年上の方々が熱心にメモをとりながら講義を聞いている様子を見て、私ももっと頑張ろうと、とても良い刺激を頂けました。
  • 年配の男性が多いように思いますが、学生らしき人もいて、男女やいろんな年齢層が受講されるのがいいですね。
  • 初めて聞く専門用語もあり、内容は難しいなと感じましたが、先生の人柄が滲み出た穏やかで熱意も感じる講義はとても有意義でした。
  • 質疑を配布の紙で受け付けるというのは逆に斬新で、挙手やチャットのような方法よりも心理的障壁が低くて良い(みんな質問しやすい)と感じました。
  • 会場の設備はとてもよいと思います。扇型になった受講席は先生の顔や表情も見れてライブ感がありとてもよいです。
  • 気になるところを何度でも視聴しなおせるので便利だと思う。
  • 自分の好きなタイミングで止めたりして、視聴することができたので大変よかったです。
  • 学問から離れていましたが、久しぶりに聴講すると、今まで興味を持たなかった分野も面白く聴講できました。
  • 阪大まで行かずに、我が家で同じ講義が受けられるので、とてもありがたいと思っています。
  • スマホなどでも見やすいのでよかった