このページはサイエンスナイト2020の開催記録です。
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VISION

知的好奇心の扉を開く

この世は謎に満ちています。
私達は、なぜ今ここにこうしているのか、それを知りたいと思いませんか。
この世(宇宙)の始まりやこの世の果てを知りたい、
この世を形づくっている物の起源を知りたい、
私たちの体がどういう仕組みで動いているのか、
つまり私たちがなぜ生きているのかを知りたい、
いろいろな物質の不思議な性質の仕組みを知りたい・・・。
理学の研究は、そんな素朴な疑問や興味から出発した研究です。
その成果の一部を、多くの方に紹介し、
少しでも“おもしろい!”という気持ちを
共有していただけたら、と思ってこのイベントを計画しました。
どうか、ひとときの科学の夕べをお楽しみいただければ、と思います。

SCHEDULE開催日程

※5/20開催分は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため開催を中止いたします。

2020
5.20(wed)
18:00~19:30
深瀬 浩一
化学専攻 教授
化学の目から見た免疫の仕組み

我々の身の回りは、ウイルスや細菌、かびなどの微生物に満ちています。病原体も数多く存在し、生物はそれらから身を守るために、免疫機構を進化させました。自然免疫は、動物や植物に普遍的に存在する免疫機構であり、免疫細胞に存在する多数のセンサー受容体がバクテリアなどの病原体由来分子を検出して、直接病原体を殺すとともに、抗体産生などの獲得免疫系を活性化します。これらの仕組みについて化学の目から紹介します。

※6/17開催分は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため開催を中止いたします。

2020
6.17(wed)
18:00~19:30
長峯 健太郎
宇宙地球科学専攻 教授
我々は宇宙の進化をどこまで理解したか

我々の宇宙はダークエネルギーとダークマターに満たされていて、空間の曲率はほぼゼロという奇妙で謎めいた存在です。一方で、素粒子の標準理論と同じような意味で、宇宙構造形成の標準モデルも出来上がってきました。関連する話題として、2019年のノーベル物理学賞が、宇宙の進化を物理学的に解明した功績によって、ピーブルス名誉教授に授賞されました。ピーブルス氏の1960年代からの研究業績を振り返りつつ、我々人類がこの半世紀の間にこの宇宙の進化をどこまで深く理解したのか、解説します。

※7/22開催分は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため開催を中止いたします。

2020
7.22(wed)
18:00~19:30
川畑 貴裕
物理学専攻 教授
原子核と元素合成の秘密

わたしたちの宇宙が誕生したとき、まだ宇宙には一切の元素が存在していませんでした。しかし、現在の宇宙には様々な元素が存在しています。全ての元素は137億年にわたる宇宙の進化の過程で原子核反応によって生み出されてきました。つまり、宇宙の歴史は元素合成の歴史でもあり、宇宙の成り立ちを明らかにするためには、原子核のことを詳しく調べる必要があるのです。今回の講座では、広大な宇宙とミクロな原子核の不思議な関係についてお話ししたいと思います。

2020
10.21(wed)
18:00~19:30
萩原 政幸
附属先端強磁場科学研究センター 教授
強磁場科学へのいざない

我々の身の回りにある様々な物質の性質を調べる物性科学では、物理パラメーターと言われる磁場や圧力等を物質に加えて、その応答から物性を明らかにし、普遍的な学理に結び付けていきます。このパラメーターの中で磁場は物質の性質を決める電子の自由度(スピン、軌道)に直接作用し精密に制御可能なものです。強い磁場で物質の状態を変えることができる場合もあります。大阪大学には世界屈指の強磁場施設があります。今宵、強磁場を用いた科学に皆さんをいざなってみたいと思います。

申込期間:9月1日(火)~10月7日(水)
※受付開始日を変更いたしました。
お申し込み受付は終了しました。
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2020
11.18(wed)
18:00~19:30
松野 健治
生物科学専攻 教授
左利きと右利きの細胞の生物学
~動物が左右非対称になる仕組み~

動物のからだの構造や機能には、左右非対称性が頻繁にみられます。ヒトの心臓が左側にあることや、巻貝の貝殻の巻方向が種ごとに決まっていることなどがその例です。最近の分子生物学の進歩によって、からだの左右非対称性が形成される仕組みが明らかになってきました。その仕組みは、動物の分類群で異なることがわかっています。細胞レベルの左右非対称性から、からだの構造の左右差が生み出される驚くべき仕組みについてお話しします。

申込期間:9月1日(火)~11月4日(水)
※受付開始日を変更いたしました。
お申し込み受付は終了しました。
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2020
12.16(wed)
18:00~19:30
佐藤 尚弘
高分子科学専攻 教授
化学と「高分子説」100年

ドイツの有機化学者スタウディンガー(1953年ノーベル化学賞受賞者)が、この世の中には数千をはるかに超える多数の原子が化学結合でつながった巨大分子(高分子)が存在すると提唱してから、今年でちょうど100年になります。この「高分子説」が、その後人々の暮らしに与えた影響は計り知れませんが、発表当時にはほとんどの化学者に受け入れられず、スタウディンガーはほぼ10年間孤軍奮闘しなければなりませんでした。「高分子」という概念が、化学に如何に重大な問題を提起したか、それを人類はどのように解決していくのかについてお話しします。

申込期間:9月1日(火)~12月2日(水)
※受付開始日を変更いたしました。
お申し込み受付は終了しました。
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VOICEサイエンスナイト2020 参加者の声

  • 普段なかなか聞くことができないお話をお聞きできて、とても刺激になりました。自分の知らない世界をもっと知りたくなり、自分でも調べてみたくなりました。
  • 以前は毎回会場で受講していたが、オンラインでもその雰囲気を充分に体験できたので、臨場感があってよかったと感じた。
  • 短い時間に、要点を絞って解説されるので、とても面白い。
  • 身近な「なぜ」をテーマに取り上げて頂き楽しく受講出来ました。
  • 初めてうかがうお話も多く、さらに知識を深めたいと思いました。先生の真摯な気持ちが伝わるよい講義でした。
  • オンラインで参加できてとてもよかったです。今後もぜひお願いします。先生の様子がわかるので、今の配信の仕方でいいと思います。
  • 先生の研究課題に対する熱意が、ありありと伝わってきて、聴き応えがありました。
  • 資料だけでなく講義者を画面を通してみることが出来たのは雰囲気を感じ取れて大変良かった。
  • 話し手の研究者としての情熱や意気込みを感じながら受講でき、講義のポイントが明瞭になっている気がした。
  • Zoomのチャットで質問に答えていただけるのは、質問も気軽でとてもうれしかったです。