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研究トピックス
2018/06/28 投稿

細菌のIII型分泌装置の機能を試験管中で再現!~食中毒菌の病原性のみを奪う薬剤スクリーニングに期待~

大阪大学大学院理学研究科の今田勝巳教授、寺島浩行特任助教(常勤)(現:名古屋大学大学院理学研究科助教)、大学院生命機能研究科の川本晃大特任助教(常勤)(現:蛋白質研究所特任助教(常勤))、南野徹准教授、難波啓一特任教授の共同研究グループは、細菌のべん毛III型分泌装置を試験管内で再構成し、タンパク質の輸送と細菌べん毛の構築を再現することに世界で初めて成功しました。
III型分泌装置は数百のタンパク質分子が集合してできた器官で、細菌の運動器官であるべん毛の形成や細菌のヒトや動物への感染装置として働きます。本研究グループは、開発した試験管内再構成実験系を用いて、III型分泌装置がATP加水分解エネルギーとプロトン駆動力という異なるエネルギーのどちらでも作動する、いわば「ハイブリットエンジン型」の装置であることを明らかにしました。また、今回成功した実験系は、III型分泌装置をターゲットとした感染症薬剤のハイスループット探索※5を可能にするもので、サルモネラ菌や病原性大腸菌O-157といった病原性細菌の病原性を奪う新規抗菌薬の開発にもつながると期待されます。
本研究成果は、2018年6月26日(米国東部時間)に米国科学誌「mBio」にオンライン公開されました。

本件に関する問い合わせ先

大阪大学 大学院理学研究科
教授 今田 勝巳(いまだ かつみ)
TEL:06-6850-5455/5456 FAX: 06-6850-5455
E-mail: kimada@chem.sci.osaka-u.ac.jp